
1ヶ月ぶりの浅草ロック座で「9 NINE(ナイン)3rd season」初日を拝見しました。各景のベースは1stと同じ。
「1景」YUME(橋下まこ、藤咲茉莉花、鈴木ミント、椿りんね、月形はるひ)
演出や衣装はより進化しているのが素敵。浅草ロック座初登場だそう。やや緊張感はありましたが、ダンスも上手で非常に美形、そして華がある。一生懸命な踊り、輝く汗が美しい。新星の誕生を見たかも。
「2景」椿りんね(篠明愛莉、野宮あん)
三月ウサギが篠明愛莉さん、眠りネズミが野宮あんさん、篠明愛莉さんのクールな雰囲気とのギャップが可愛い。最初レコードの上で回るフィギュアが落下、あれは何のフィギュア?メジャーを使ったダンス、衣装にもハサミやミシン糸がくっ付けられ、より狂気を感じる雰囲気に。盆上での帽子を使ったポーズが素敵。
「3景」月形はるひ(藤咲茉莉花)
最初の爪先鼠の場面も舞台を大きく使った、中村莟玉君を連想させる目が大きい小柄な丸顔、肌の白さは正に雪姫で驚きましたが、抜群にニンとタイが合っている。桜柄の着物、小鼓柄の帯、日本髪に赤いリボンがロック座的で面白い。桜の枝を使った日本舞踊のようにスローなダンスもしっかり感情が感じられて素晴らしい。
「4景」野宮あん(鈴木ミント、豊田愛菜、YUME)
豊田マリオ、鈴木スライム、YUMEカービィ。ストリップデビューということで緊張感が凄い。ダンスもたどたどしく、ハリネズミというよりは阿諛追従する青い犬という感じですが、精一杯頑張っているのは伝わる。スーパーカーの『STROBOLIGHTS』に撃沈。応援したくなる童顔で不安いっぱいの表情。ポーズもしっかり決められないからこそ、他の方々の凄さが分かる。今後に期待大。
「5景」篠明愛莉(ダンサー4名)
浅草ロック座初登場、スマートなお顔だちでキレの良いダンス、体も柔軟でほぼ垂直に上がる片足上げも決まる。小柄ですが、綺麗な肌も素敵。
「6景」鈴木ミント(橋下まこ、ダンサー4名)
峰不二子、1stと違い寂しさよりも強さを感じる。力強い踊り、最後はダイヤにキスをして幕。
「7景」豊田愛菜(椿りんね、月形はるひ)
長身でセクシーな豊田さんにぴったりで、背の小さい2人が盛り上げる。長い足を生かした「山」のポーすが印象的。
「8景」藤咲茉莉花
1stと演出が最も違った景、クレイジーな武藤さんも凄かったが、伝説にのっとった演出がとても良い。安珍を探し回る清姫、花道のブルーの照明で日高川を表現、若い女性の能面から暗転の間に般若の面、衣装も素早く変え、一気に日高川を渡り、向上する盆を道成寺の鐘と見立てて上る。赤い布は鐘を焼く執着と怒りの炎のイメージ。蛇を思わせる艶かしい踊りが随所に入り、安珍を鐘もろとも焼き尽くした絶望の果てに般若の面を外した顔の表情は凛々しい。物語だと清姫は入水しますが、浅草ロック座が描く令和の清姫は強い。2度、高く掲げた般若の面、蛇の力も取り込み、男を食い物にしながらかどうかはわかりませんが、強く生きていくと想像されます。素晴らしい。
「9景」橋下まこ(豊田愛菜、篠明愛莉、YUME、野宮あん、ダンサー4名)
前半も楽しいですが、やはり後半の橋下まこさんの感情の弾のこめ方、表現、表情がやばい。ブルーのロングドレス、アリシア・キーズの『Underdog』、基本は当て振りですが、「rise up = 高く舞い上がる」に合わせた飛翔の動きから、祈りのポーズ。長い手足と滑らかな動き、さらに静止姿の美しさ。最後の曲は1stと異なり映画『グレイテスト・ショーマン』からキアラ・セトルの『This is Me』、橋下まこさんの表現力溢れるダンス、踊り子の思い、映画の内容、苦しみから脱却し新たな扉を開く歌詞と歌声が一体となり感動が止まらない。歌舞伎座は好きだと言えても、浅草ロック座は好きだと言いにくい、そんな風潮も変化する希望を感じます。
「フィナーレ」
初日に初めてお伺いしましたが、初日だからか、浅草ロック座初登場、ストリップデビューの方がいたせいか1回目から大入り。その状況に違わず、とても素晴らしい「9 NINE(ナイン)3rd season」。今夜は『グレイテスト・ショーマン』を見よう。
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