NODA・MAP第25回公演『Q』東京芸術劇場プレイハウス

NODA・MAP第25回公演『Q』東京芸術劇場プレイハウス
東京芸術劇場プレイハウスでNODA・MAP第25回公演『Q』を拝見しました。

配役
それからの愁里愛:松たか子
それからの瑯壬生:上川隆也
源の愁里愛/愁里愛の面影:広瀬すず
平の瑯壬生/瑯壬生の面影:志尊淳
源義仲/法皇/源頼朝/平の虚仮威:橋本さとし
平の水銀/平の白金:小松和重
六波羅禿の巴/巴御前/尼トモエゴゼ:伊勢佳世
源の生母/平の溺愛母/尼マザーッテルサ:羽野晶紀
源の乳母:野田秀樹
平清盛/平の凡太郎:竹中直人

作・演出:野田秀樹/音楽:QUEEN

俊寛っぽい始まりから、白紙の手紙、そして時代が遡る。源平の戦い、ロミオとジュリエット、第二次世界大戦、シベリヤ、スマートフォンやベルリンの壁らしきものも登場するので地球とよく似た別の世界の話なのか。クイーンは全然知らなくて、ロミオとジュリエットもあまり馴染みはありませんが、平家物語は好きなので、世界観はわかりやすい。名を捨テロリスト、名を拾イズム、アマゾネス、登場人物の名前からして言葉遊び?駄洒落?も多数。スムーズな舞台転換、布の使い方も素晴らしいし、野田さんの役者としての破茶滅茶振り、クドさも相変わらず。コメディ要素はありつつも全体的に明るい雰囲気ではないのですが、ロミオとジュリエットの後日譚っぽい後半はさらに暗い。

不思議なお役ばかりだった橋本さとしさんが面白い。頭を木魚代わりにしたり、愁里愛に自撮り棒で殴られたり、風船が挟まったり、義仲が死んだ場面はお能の「葵上」っぽいか。やはり松さんが素晴らしくて、まずセリフが聞き取りやすい!コメディエンヌとしての演技も素晴らしく、自撮り棒でぶん殴って気絶させた後、舞台外に蹴り出す一連の動作は何回見ても笑える。上川隆也さんも素敵、めっちゃ動けてましたが、もうすぐ還暦なのに驚き。どうしても若い役者より年配の役者さんに惹かれます。

要点になっているのは、人や言葉の存在ってことかなぁ。内容がやや複雑でセリフも莫大なので、人によって感じるものが全く違いそう。そして最後はスタンディングオベーションも。役者さん疲れているだろうから早く帰らしてあげれば、と思うのですが、役者さんとしては嬉しいものなのか。いつも何か面白いことが起こるかもと期待するのですが、特に何も起こらない。個人的には前回の「フェイクスピア」の方が感銘を受けましたが、今回の舞台も完成度が高く満足度はとても高いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました