またしても「タクボ」が流れてしまったため、2021年8月神田にオープンしたフレンチ「naoto.K」でディナー。岸本直人シェフは南青山から広尾に移転し、その後閉店したフレンチの名店「ランベリー」でシェフをされていた方だそうです。
「スフレ-キャヴィア・オシェトラ」
シグネチャーメニュー、「インカのめざめ」を使った出来立てスフレの上の部分だけを使用、中国「千島湖」のキャヴィア・オシェトラをたっぷり乗せていただきます。美味しくない訳はありません。
「活けの貝類、群馬の名人金子さんの春蕪」
爽やかな蕪のポタージュに、蛤、北寄貝、青柳の3種の貝はフレッシュで美味。
「塩釜産蝦夷アワビ、肝と香味干し海苔、OkiOlive」
ソーツは肝、海苔、山椒を合わせたもの。鮑は普通、味の強いオリーブオイルの合わせは疑問。
「鶏のフリット、大蒜、パセリ」
手羽先のフリットのキャラメリゼ、パン粉とガーリックとパセリ、途中で胡椒で味変。こちらは火入れが絶妙で、薬味も機微が効いています。
「静岡県産フルーツトマト、ニイクラファームのハーブウォーター」
「フォアグラ・大根」
塩麹でマリネしたフォアグラにフォアグラ、桜エビ、大根のガレット、ベトナム産のバーベナペッパー。料理の鉄人でも有名な坂井宏行シェフのフレンチ「ラ・ロシェル」で修行されていたこともあるそうで、一世風靡したフォアグラ大根の令和版。フォアグラは得意ではないですが、悪くない。
「北海道産アンコウ、活け毛蟹」
上に黄韮、むっちりしたアンコウは悪くありませんが、毛蟹のソースは味弱。後に残る妙な辛味はなんなんでしょう。
「黒毛和牛タン、ソース・ペリグー」
この料理も、美味しくない訳はありません。
「自家製高加水パン」
ボルディエの有塩バターを添えて。先ほどのトリュフソースをたっぷり付けていただきます。
「北海道十勝産乳飲み仔牛」
仔牛の骨の出汁と赤ワインのソース、ジロール茸。部位はモモ肉、確かにミルキーさはありますが、筋っぽさが滅茶苦茶気になる。
「ふぐ白湯、新潟県翠涼うどん」
自家製紅生姜、フグの白子。白子の使い方、贅沢というよりは勿体無い気がしてしまいます。
「長野県ナカムラフルーツ農園のグラニースミス」
酸味強めで美味。今日一番印象に残ったかも。。。
「徳島県山下桃源郷あんぽ柿、牛乳とクリスマス島の塩アイス」
仕上げにコニャックでフランベ、下に杏のピュレ、塩メレンゲ。
「フレーズ・ピスターシュ」
イタリア、シチリア島ブロンテ村のピスタチオと苺のケーキ。唯一ボリュームが選べたので大きめで。ピスタチオ感強目で、イチゴのフレッシュなアクセントも良好です。
和食、中華の雰囲気も感じられるフレンチでした。手羽先、牛タンなど美味しいものもありましたが、驚きや感動は無し。鮑、毛蟹、河豚、牛肉の素材感が、価格を考えると弱過ぎたのと、オリーブオイルを使い過ぎなのが気になりました。この価格で、この内容だったら和食、肉なら肉料理専門店を選びますね。デザート類が良かったですが、料理はあまり印象に残らず。皆で一緒の料理を食べるフレンチは好きになれそうにありません。ごちそうさまでした。
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