七月大歌舞伎 夜の部『鬼平犯科帳』『蝶の道行』歌舞伎座

歌舞伎座で「七月大歌舞伎 夜の部」を拝見しました。

二代目中村吉右衛門に捧ぐ『鬼平犯科帳 血闘』
長谷川平蔵:松本幸四郎(高麗屋)
普賢の獅子蔵:市川團十郎(成田屋)
同心小柳安五郎:市川中車(澤瀉屋)
日置玄蕃:坂東巳之助(大和屋)
おまさ:坂東新悟(大和屋)
長谷川銕三郎:市川染五郎(高麗屋)
少女のおまさ:市川ぼたん
閻魔の伴五郎:市川猿弥(澤瀉屋)
三次郎妻おたね:市川笑也(澤瀉屋)
夜鷹おもん:市川笑三郎(澤瀉屋)
五鉄亭主助次郎:市川寿猿(澤瀉屋)
無宿人相模の彦十:市川青虎(澤瀉屋)
同心木村忠吾:中村吉之丞(播磨屋)
夜鷹おこま:澤村宗之助(紀伊国屋)
吉間の仁三郎:大谷廣太郎(明石屋)
四之菱の九兵衛:松本錦吾(高麗屋)
たずがねの忠助:市川門之助(瀧乃屋)
与力佐嶋忠介:市川高麗蔵(高麗屋)
相模の彦十:中村又五郎(播磨屋)
平蔵妻久栄:中村雀右衛門(京屋)
長谷川宣雄:松本白鸚(高麗屋)

小説も映画もドラマも漫画も一度も見たことがない「鬼平犯科帳」。いきなり捕物の場面から、敵役が團十郎さん、猿弥さん、巳之助さんなのは文句はないが、段々スケールダウンしていくのはいかがなものか。スポットライトまで浴びて格好よく登場した薩摩示現流の使い手日置玄蕃、刀を3回振り上げたキエー!のみで鬼平に切られて弱過ぎで笑える。隻眼もはったりなのか。宗之助さんの夜鷹おこまの凄まじい色気、久しぶりに拝見した気がする新悟さんが良く、お声が素敵過ぎる。初めて鬼平を見るため、2つに分けずに、各登場人物の拝見を細かく描いてもらえた方が楽しめたかもしれません。しかしながら一幕目最後の唐突な高麗屋三代の絡みはグッと来ました。幸四郎さんも染五郎さんも、白鸚さんもとても楽しそうに見えました。

『蝶の道行(ちょうのみちゆき)』
助国:市川染五郎(高麗屋)
小槇:市川團子(澤瀉屋)

鬼平内で若造といじられていたフレッシュな花形役者による竹本連中による所作事、お二人だけの踊りは2021年8月の『三社祭』以来。清元や長唄と違い竹本の詞章は聞き取りやすくてホッとします。女形の汗だらだらは気になりますが、これは仕方ない。最初は華やかですが、最後はとても悲しい。「七月大歌舞伎」は昼夜の時間配分が妙ですが、気楽に楽しめる夜の部。昼の部も楽しみにしております。

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