上野広小路亭で「永谷しのばず寄席」を拝見しました。
前座「寄合酒」三遊亭こと馬
色んなバージョンがあるんですね。誠実な落語。下げは「今入れたばっかりだからしばらく待ってくれ」「冗談言っちゃいけねぇ」
「定年おやじとミニ四駆」三遊亭金の助
初めて拝見、ミニ四駆の話、懐かしい。自分は『ダッシュ!四駆郎』世代なので、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』は見たことがない。妻と電子レンジを買いにいった秋葉原のヨドバシカメラで、たまたまミニ四駆を購入し、はまってしった定年おやじ。「Mini4wd Geeks三ノ輪橋駅前店」はミニ四駆好きの聖地みたいなものなのか。「近代ミニ四駆」という言葉が面白い。下げは「ミニ四駆の師匠は炭酸(単三)がないと動きませんから」
「大石妻子別れ 寺坂の口上」一龍斎貞橘
涼やかな男前で、講談も巧い。講談には引き事、入れ事、無駄事の3つがあるらしい。大石内蔵助の妻、本当は「おりく」ですが、講談では仮名手本忠臣蔵の「おいし」が採用されているのが面白い。確かに堅そうな一族です。おまけで「曾我物語」もちょっとだけご披露いただき得した気分。
「船徳」昔昔亭A太郎
恒例の写真撮影タイムから。櫓の使い方が大振りで若い。大河ドラマへの出演決定おめでとうございます。下げは「上がりましたら、船頭を1人雇ってください」
「SMコント」魔族
マゾちゃん、サドヤマエスのコンビ。客数20人程度の中、凄いメンタルの強さ。霊媒師プレイ、催眠術プレイなどのショートコント、実家は戸越銀座の電気屋、マゾちゃんの「お恥ずかしい~!」が決め台詞。「しのばず寄席」でこんなに大暴れしている人たちは初めて。鞭でのツッコミは見ている方も痛くなります。最後は、コップに注いだ3杯のタマノイ酢の3杯目を違う飲み物に変える特殊能力を披露。最初はジャスミン茶、次は林檎ジュース、最後は3杯全部を焼酎、ウォッカ、カシスオレンジに変えられるか。東京MX『5時に夢中!』でのご活躍を祈っております。
「禁酒番屋」立川龍志
最後のしょんべんは膝にこぼした挙句、ちょっと飲んじゃう。堅実です。
「は組小町」富士綾那、曲師:沢村博喜
7月末の独演会の時に披露した演目、やはり声が涸れていた影響は大きかったようで、声の出力が別物。贔屓目ではなく、出来、存在感、本気度は今日一番。やはり前回は短縮版だったようで、今日は30分しっかり。節に入る前の目の動揺も素敵。ちょっとお声が田中真弓さんっぽいのか、声優としても活躍できそうな素敵なお声。最後のお初が命がけで三五郎をあぶる場面は心が熱くなる。もうちょっと引っ張られていたら泣いちゃってた。素晴らしい。
「金玉医者」月亭方正
感動的な浪曲の後はふざけた落語。嫌いな人にもらった日本酒、米(国産)をアメリカ産と間違える話題は先日聞いたラジオでもあったな。患者を不思議に治療してしまう医者有馬膏薬の描写が面白い。この人、絶対藪医者でしょ。今日の日に相応しい馬鹿馬鹿しい落語。下げは「それはいけませんな、薬が効きすぎた」
「ひえひえ漫談」冷蔵庫マン
後で知りましたがWAHAHA本舗の所属なのか。自作の冷蔵庫をかぶった人はなんと62歳、たまらない哀愁。最後の冷え冷えダジャレはういろうを使った島倉千代子さんの「人生ぅいろぅいろぅ」でした。
「真景累ヶ淵 豊志賀の死」三遊亭楽松
昼の少人数の怪談はどうなんでしょう。静かで長くて少し眠気が。新吉の女を取り殺すのは8人。ほんのり香る下品さが味なのかも。この後は国立演芸場へ移動し「第五回 瀧川鯉昇・鯉八 不思議な親子会」へ。
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