
今年初めての国立能楽堂で以前から拝見してみたかった『当麻』、『妻戸』などを拝見しました。
配役

能『当麻 (たえま)観世銕之丞(観世流)』
数年前に上野の東京国立博物館で「当麻曼荼羅」を見てからずっと気になっていた演目、前場の化尼が阿弥陀、化女が観世音菩薩の化身という。観世淳夫さんのお声は面越しとしては今まで一番大きかった。糸に関わる詞章がふんだんに使われ、二上山は二神と掛かっているのでしょうか。前場のツレと後場のシテが同じ中将姫というのがしっくり来ませんでしたが、邦楽器尽くしの長絹が素敵で舞も雅。しかしこの演目、歌舞の菩薩となって中将姫が後シテということで囃子方が活躍する場面が多く、非常に重要な印象、大倉源次郎さんの小鼓、掛け声は最高です。
狂言『文蔵(ぶんぞう)大藏教義(大蔵流)』
太郎冠者に京で食べた物を思い出させるために『源平盛衰記』の「石橋山の合戦」を頑張って本気で語る主が愛らしい。人の名前の文蔵から温糟(粥)を思い出す太郎冠者の確信犯ぶり。
能『妻戸 (つまど)金剛永謹(金剛流)』
『雷電』とほぼ同じ内容だそうですが、『妻戸』では自分から藤原時平の話をしておいて、急にブチ切れ、柘榴を吐き散らす急展開が楽しい。後半は何事もなかったかのように、ごくごくに優雅に。
本日の面は『当麻』の前シテが「姥(うば)」、後シテが「増(ぞう) 友閑作」、ツレが「小面(こおもて) 近江作」、『妻戸』の前シテが「三日月(みかづき) 徳若作」、後シテが「中将(ちゅうじょう) 満永作」でした。

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