歌舞伎座で「十二月大歌舞伎」第三部を拝見しました。一幕目は『義経千本桜 吉野山』から。
配役
佐藤忠信実は源九郎狐:尾上松緑(音羽屋)
静御前:中村七之助(中村屋)
とても久しぶりに演劇で寝落ちしてしまいました。。。なんだろう、七之助さんは相変わらず綺麗だけど、松緑さんが狐っぽくないからか、竹本がイマイチだからか。なんかすみません。。。
二幕目は『信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)』、お能の『紅葉狩』を題材として舞踏劇、能でも小書に「鬼揃」が付くと鬼が大勢登場しますが、その趣向を取り入れています。こちらは最高です!
配役
鬼女:坂東玉三郎(大和屋)
平維茂:中村七之助(中村屋)
鬼女:中村橋之助(成駒屋)
同:中村福之助(成駒屋)
同:中村歌之助(成駒屋)
同:尾上左近(音羽屋)
同:上村吉太朗(美吉屋)
山神:尾上松緑(音羽屋)
長唄と竹本との掛け合いなのですが、やはり玉三郎チームは巧い方揃いで素晴らしい。舞台背景は紅葉が絡んだ松、両脇は黒バックにして舞台を狭く見せている。前半はお能の要素が濃い。玉三郎さんをリーダーに鬼女軍団も流石に緊張感があって良く、ゆったりとした、だからこそ恐ろしさを感じる所作が美しい。こちら(3階席)にもピリピリした雰囲気が伝わります。七之助さんの維茂も格好良くて凛々しくて非常に良い。維茂、山神の動作は竹本、上臈と侍女の動作は長唄で。玉三郎さんの扇の使い方はやはり神懸かっている、ゆったりした序の舞から急の舞への変化もとても素敵。
後半は全くの歌舞伎に。松緑さんは狐より山神が断然合っている。ピンと上を向いた足の親指が勇ましい。杖でがんがん音を鳴らすも全然起きない維茂が笑える。最後は天の岩戸開きのイメージかな。コミカルで可愛い舞が楽しい。鬼の登場前に竹本連中が台ごとハケるのですが、引っかかっちゃって、なかなか退場できず。台の上の竹本の気持ちを想像すると笑ってしまいます。八幡さまの刀を手に入れた維茂強すぎ。鬼軍団の毛振り攻撃はちょっと面白いな〜。前半とは一転、こういう馬鹿馬鹿しさは歌舞伎らしくて面白い!お能だとかなり怖い場面のはずだけど何だかのんびりした感じ。最後も怖さよりも華やかさが際立ちました。お能がベースの演目はやっぱり好きだな、12月にふさわしい来年に向けて気分が上がる舞台でした。玉三郎さん、ありがとう!
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