吉例顔見世大歌舞伎 昼の部『マハーバーラタ戦記』歌舞伎座

吉例顔見世大歌舞伎 昼の部『マハーバーラタ戦記』歌舞伎座
歌舞伎座で吉例顔見世大歌舞伎 昼の部『マハーバーラタ戦記』を拝見しました。

配役
迦楼奈(かるな)/シヴァ神:尾上菊之助(音羽屋)
太陽神:坂東彌十郎(大和屋)
仙人久理修那(せんにんくりしゅな):中村錦之助(萬屋)
帝釈天:坂東彦三郎(音羽屋)
百合守良王子(ゆりしゅらおうじ):坂東亀蔵(音羽屋)
風韋摩王子(びーまおうじ):中村萬太郎(萬屋)
汲手姫(くんてぃひめ):中村米吉(播磨屋)
阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/梵天:中村隼人(萬屋)
納倉王子(なくらおうじ):中村鷹之資(天王寺屋)
我斗風鬼写(がとうきちゃ)/ガネーシャ:尾上丑之助(音羽屋)
鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)/ラクシュミー:中村芝のぶ(成駒屋)
沙羽出葉王子(さはでばおうじ):上村吉太朗(美吉屋)
森鬼獏(しきんば):尾上菊市郎(音羽屋)
森鬼飛(しきんび):上村吉弥(美吉屋)
道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ):市川猿弥(澤瀉屋)
亜照楽多(あでぃらた):河原崎権十郎(山崎屋)
羅陀(らーだー):市村萬次郎(橘屋)
多聞天:市川荒五郎(三河屋)
大黒天:坂東楽善(大和屋)
那羅延天(ならえんてん):尾上菊五郎(音羽屋)

「神々の場所」から、情報収集していないため、チラシに記載の無かった菊五郎さんが出演しておりびっくり!ちょっと細っそりされた感じはありますが、声はしっかり、存在感は流石です。帝釈天役の彦三郎さんが、メイク含めとても良い!続く「ガンジス川岸」は米吉君の赤姫、ほんのりインド風な着物と共に流石に可愛い、前場の「若い娘‥‥」というフリもあり太陽神との絡みは俄に官能的、16年後はがらりと雰囲気が代わり、醸す気品に成長を感じる。全体的に衣装が日本風で素敵、前回の記憶が全くありませんでしたが、見進めるうちに、このシーンあった!と記憶が蘇る。「迦楼奈の家」「五王子の宮殿」は、ズルヨウダ王女役の中村芝のぶさんの存在感が素晴らしい。やっぱりお上手、今後も良いお役が付くこと望む。五王子の一番下の双子ナクラとサハデバは母親が違い、アシュヴィン双神も双子の神なのか。一度『マハーバーラタ』も読んでみたい。治癒能力とネズミと話せる能力が大活躍。迦楼奈と弓とマントラを学んだ修験者の師匠とのやりとりは、迦楼奈が言い訳がましく、師匠と牛の御者に呪いを掛けられる試練も当然か。「祭りの町の別邸」でズルヨウダ王女の策略にはまり、五兄弟焼死、セットの迫力あります。「パンチャーラ国」、最初に出てくる爪が黄色とピンクの小さいリアルゾウが可愛い。弗機美姫(ドルハタビ姫)役の中村好蝶さんも可愛い。踊りの闘いがもの凄く『RRR』っぽいと思ったら参考にしてたそう。ドウフシャサナ王子役の猿弥さんが真面目に提案したサイコロ博打で笑いが起こるのは諸刃の剣。ほぼ使い道がピンポイントの自由にサイコロの目を出せる能力、博打にのめり込ませる能力は面白い。シキンビとビーマ王子の恋愛はやや退屈ですが、後の伏線に重要。ドウフシャサナvs.ナクラ・サハデバ、ビーマvs.ズルヨウダ、カルナvs.アルジュラの戦闘シーンは格好良い。息子のガトウキチャが意外と弱いのはがっくり、最後のガネーシャも滑舌もよくなかったような気が。最後の臙脂色の鎧姿が美しいズルヨウダの叫び、階段落ちはグッときました。結局帝釈天もなんか良い神だったし、五王子、特にアルジュラもそこまで力で和平を築こうとはしていなかったように見えた。だからこそ迦楼奈と母の「息子は1人しか殺さない」という約束、誰も殺さない選択肢はなかったのでしょうか。木琴、鉄琴、パーカッションの生音楽もとても素敵で、前回よりさらに楽しめた。

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