令和2年の春 国立劇場の桜

国立劇場の桜
国立劇場の桜を見に行きました。今日拝見する予定であった歌舞伎公演「通し狂言 義経千本桜」中止の張り紙が悲しいですが、日当たり良好なためか国立劇場の桜たちはほぼ満開、桂文珍さんの独演会は開催されていました。そうそう広くはないですが、様々な種類の桜が見られるのが魅力です。

「仙台屋」

立て札の謂れには「高知市の仙台屋という店の庭にあった桜でヤマザクラの1種、花色が濃く一重でオオヤマザクラに似る。ソメイヨシノより数日遅く開花する」そう。

「駿河桜」
駿河桜
しだれ桜はよくありますが、これほど綺麗な昇り桜は珍しく感じます。立て札の謂れには「文部省三島遺伝研究所で造られた桜で、1972年に国立劇場職員が退職記念に植えられました。当時の幹の太さは親指ほど。ソメイヨシノより若干早く開花する」そう。色が白く、これから咲くであろう上方の蕾の緑とのコントラストも美しい。

「駿河小町」
駿河小町
まだ2分咲きほどの枝ぶりの小さい桜は、駿河桜の種から育てた国立劇場生まれの新品種だそう。

「神代曙 じんだいあけぼの」
神代曙 じんだいあけぼの
一番人気の華やかな桜がこちら。立て札の謂れには「ワシントンから送られたソメイヨシノの種から生まれた桜を東京都の神代植物公園で接木したものが原木。2000年に日本で初めて国立劇場が植栽し、以降、全国に広まりました。花の色濃く、濃淡が美しく、病気にも強い神代曙は、ソメイヨシノより数日早く開花する」そう。

見た目が派手な桜には人が集まります。
神代曙 じんだいあけぼの
その他「小松乙女」、「八重紅枝垂」、「熊谷桜」、「関山 かんざん」、「稚木の桜 わかきのさくら」、「駿河桜の実生」と10種の桜が植えられています。

「ユキヤナギ」
ユキヤナギ
桜に隠れて目立ちませんが、背の低く白い花の「ユキヤナギ」や「リキュウバイ」も見頃。後ろは熊谷桜だったでしょうか。

桜は綺麗ですが、個人的にそう魅力を感じる花ではなく、桜の下で飲食するのも好きではありません(以前王子の飛鳥山公園で試してみましたが、やはり引力は感じませんでした)。桜が多くの方に愛でられる理由として、すぐに散ってしまう儚さ、寒い冬を越えて温かい春が来る喜び、さらに当時は桜の咲き具合で秋の実りを予想していたそうで実務的な意味もあったとか。
神代曙 じんだいあけぼの
花が群れることで美しさを発揮する桜は撮影が、とても難しいと感じています。絵画の題材としても梅などと比べると桜は少ない気がるのだが、いかがでしょう。確実に言えるのは実際に目で見ないと美しさは味わえない花、桜の花見という文化が日本で愛されている理由も納得です。

コロナウイルスの影響で4月の歌舞伎興行も危うい感じがしてきましたが、春は明るい季節、楽しく健やかに暮らしたいものです。

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