
歌舞伎座で「八月納涼歌舞伎 第一部」を拝見しました。
『男達ばやり(おとこだてばやり)』
朝日奈三郎兵衛:坂東巳之助(大和屋)
三浦小次郎:中村隼人(萬屋)
唐犬権兵衛:市川猿弥(澤瀉屋)
奴権平:市川青虎(澤瀉屋)
老人六兵衛:嵐橘三郎(伊丹屋)
放駒四郎兵衛:中村福之助(成駒屋)
茶屋亭主又兵衛:中村橋之助(成駒屋)
又兵衛女房とま:中村米吉(播磨屋)
大正15(1926)年初演、池田大伍作の新歌舞伎、31年ぶりの上演だそう。幡随院長兵衛と水野十郎左衛門の諍いにも関係する話ですが、旗本奴の三浦小次郎はとても良い人。最初の不忍池畔の場面が冗長、もの凄く嘘くさくとぼけた茶屋亭主の橋之助君と嘘くさいけど人間らしい女房とまの米吉君コンビが面白い。やけに冷静で抑揚がない三浦と感情剥き出しの朝日奈、やっぱり巳之助さんはこういうお役なのか。もう少し現代的な構成とテンポ感だったら、より面白そうな一幕でした。
「猩々」
猩々:松本幸四郎(高麗屋)
猩々:中村勘九郎(中村屋)
酒売り:市川高麗蔵(高麗屋)
「団子売」
杵造:松本幸四郎(高麗屋)
お福:中村勘九郎(中村屋)
のんびり楽しめる舞踏2題、高麗蔵さんの酒売り、女性なのが新鮮。猩々2人、感じの違う踊りなのが良いですが、勘九郎さんのキレの良い動きが素敵、団子売のお福も、お顔は男っぽいのに、溢れるチャーミングさに驚き。あっという間に終わった第一部でした。
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