
歌舞伎座で「八月納涼歌舞伎 第二部」を拝見しました。
『日本振袖始(にほんふりそではじめ)』
岩長姫実は八岐大蛇:中村七之助(中村屋)
稲田姫:中村米吉(播磨屋)
素盞嗚尊:市川染五郎(高麗屋)
5年前の初見ほどの衝撃はありませんでしたが、やっぱり面白い内容。七之助さんの隈取が凄く新鮮、姿が変わってからの方がむしろ人間っぽい感じがしてしまいましたが、大蛇の方々の活躍も素晴らしい。染五郎君の歌舞伎役者としては早過ぎ、飛び過ぎな動きもこれはこれで若さ爆発で素敵。そもそも振付と構成が素晴らしく、見応えのある一幕です。
『火の鳥(ひのとり)』
火の鳥:坂東玉三郎(大和屋)
ヤマヒコ:市川染五郎(高麗屋)
ウミヒコ:市川團子(澤瀉屋)
イワガネ:坂東新悟(大和屋)
重臣:中村亀鶴(八幡屋)
大王:松本幸四郎(高麗屋)
オペラの演出家、原純さんと玉三郎さんによる新作歌舞伎。金の箱が小さく、あんな軽々持ち運べるのが不思議ですが、何らかの魔法が掛けられているのかもしれません。3階席から見ていたためか、映像を使った二人の王子の旅の場面はちょっと退屈、ヤマヒコのメイクが濃厚。新悟君は流石に上手いが、イワガネの存在理由が難しいですが、理由などないのかもしれません。あのインパクトのあるビジュアルを見て、登場した瞬間笑ってしまうのでは?と思っていましたが、動きが美し過ぎてちょっと感動。終盤の「永遠」についての講義もあまりグッとはきませんでしたが、最後はサプライズもあり、玉三郎さんの永遠さを堪能できました。全く納涼感のない演目でしたが、この役を再演できる歌舞伎役者が現れると良い。
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