ジビエ イタリアン「ラカッチャ」六本木 フランス坂

2019年10月に六本木にオープンしたジビエに特化したイタリアンレストラン「ラ カッチャ」にお伺いしました。店名の「La Caccia」はイタリア語で狩猟の意味、女性名詞なのが、イタリアっぽくて、他にも意味がありそうで面白い。六本木通りの市三坂からフランス坂を上がったすぐの所にお店はあります。コースもありますが、お目当ての料理がいつくかありましたので、カルトで色々いただきました。

「鹿味噌」
鹿味噌
スプーン型の見た目も可愛いアミューズ。

「パン、猪のリエット」

豚が定番のリエットも猪で。パンにたっぷり付けていただきました。

「海馬と白イチジクのテリーヌ」
海馬と白無花果のテリーヌ
インスタグラムで拝見して興味の有ったメニュー。海馬の正体が分からず、英名が「Seahorse」のタツノオトシゴ?、まさか脳の一部の海馬ではないだろうと思いましたが、正解はトドでした。トド肉に鹿の血液、豚のセセリ、鶏レバーを合わせています。トド肉は初めて食べましたが、一般的なものより味が濃く、質感もしっかりしたテリーヌです。添えられた旬のフランス野菜、アスパラソバージュも美味。続いて本日のメインデッシュとも言える楽しみな料理!

「鹿の脳みそのムニエル サルサヴェルデソース」
鹿の脳みそのムニエル サルサヴェルデソース
岐阜県産の鹿の脳みそです。アミューズは鹿味噌でしたが、これも鹿みそですね。量は200gほど。薄っすら透ける感じはそのまんま。エシャロットが添えられています。味はほぼ無いので、少し癖のある香草のソースが良く合います。合わせていただいたお酒は高知の無手無冠(むてむか)の純米酒「gibier ジビエ」、高知の酒のすっきり辛口系は好みではないのですが、同様の印象。竹雀のお燗とかで合わせたい。

外はサクッと中はトロッとの美味しいムニエル。生肉を食べる時と同じような官能に加え、その個体を司っていた中枢、畏怖と神聖さを感じさせる部位をいただくという少しの背徳感と大きな喜び。
鹿の脳みそのムニエル サルサヴェルデソース
絹ごし豆腐とかタラの白子が近いですが、何にも例えることのできない食感と滑らかさ。これを生かしてソース的に使っても美味しそう。右脳と左脳の風味の違いは、多分無し。頭蓋骨をノコギリで割って取り出す際、少しでも傷つけたら食用にはできないのに加え、鮮度も重要。大切な命ですから食べられる部分は可能な限り食べようという世の流れにはなっているとはいえ、とても希少な高級食材、堪能いたしました。

「穴熊の煮込み」
穴熊の煮込み
長崎産のアナグマの肩部分。体格がずんぐりしているので歩留りは良いのか嬉しい量感。習性や食性は狸と似ていて、同様に「狢(ムジナ)」と呼ばれる穴熊です。洗練されてない煮込みの味付けも素敵。狸を食べたことがないので比較はできませんが、癖は無く、柔らかくて旨い。骨付き肉はこれくらいの量感で食べたいものです。脂も旨いので、それも食べてみたかったが。ちなみに穴熊はイタチ科、狸はイヌ科、沼狸とも呼ばれるヌートリアはネズミ科です。

「ジビエイタ飯」
ジビエイタ飯
ジビエキーマも美味しそうでしたが、イタリアンでは珍しい炒飯(イタ飯)をオーダー。チャーシューの変わりに猪、豚の背脂、せせり肉、豚耳のサルシッチャ入りのチャーハン。間違いないです。旨い。

「チョコレートムースケーキ」
チョコレートムースケーキ
最後は優しいデザートで。

「ラカッチャ」の岸井シェフは開店前、2年ほど千葉県君津市で狩猟の修行をされていたそう。その時のエピソードも色々お話いただき、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。千葉県で増えて問題になっている小型の鹿「キョン」も機会があれば食べてみたいですね。しかし鹿の脳みそは生涯の記憶に残る一品、獣肉満喫、免疫力もアップした1日でした。ごちそうさまでした。

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