フレンチ「ビストロシンバ」銀座一丁目(新富町)#2

6月12日からレストラン営業を再開した「ビストロシンバ」にお伺いしました。一度テイクアウトで利用させていただいたのですが、やっぱり出来立てをレストランでいただく欲望が募るばかり。待望の「ビストロシンバ」再開です。現在カルトは無く、コースのみの提供。

アミューズ「鰯、コリンキー、花オクラ、ディルの花」
鰯、コリンキー、花オクラ、ディルの花
一口食べて嬉しくなる香る料理、菊地シェフの料理。オープンキッチンですので、厨房での3人のシェフの仕事ぶりや、サービスのお2人の笑顔の中でいただく料理は一層味わい深く感じます。

「馬肉のタルタル、丸茄子、大あさり、焼き茄子のピュレ」
馬肉のタルタル、丸茄子、大あさり、焼き茄子のピュレ
新作の料理は絶品でした。さっぱりとした甘い馬肉にコクのある茄子の苦味の調和が素晴らしい。

「ヴィラアイーダ 小林農園 野菜の一皿」
ヴィラアイーダ 小林農園 野菜の一皿
和歌山のイタリアンから仕入れる隠元豆、ズッキーニ、人参の花などの野菜とバイ貝を合わせて。こちらのお野菜は本当に味が濃くて美味しい。幸せ。

「甘鯛鱗焼き」
甘鯛鱗焼き
ざっくりパリパリの鱗のアクセントが効いている甘鯛、定番の仕上げですが、ソースの仕上げ方など、そこいらの和食店よりよっぽど考えられた料理です。旨い。

「冷製ブーダンノワール ビーツとさくらんぼの酢漬け」
冷製ブーダンノワール ビーツとさくらんぼの酢漬け
夏らしい冷製仕立て、個人的には香りの立つ、温かいブーダンノワールの方が好みです。そして、メインのお肉を焼く時に漂ってくる香りも心地良し。

「エレゾの蝦夷鹿ロースト」
エレゾの蝦夷鹿ロースト
以前にもいただいたことのあるエレゾの蝦夷鹿は、しっとりジューシーで火入れも抜群。軽やかな味わいではありますが、旨味もしっかり感じられます。いつもカルトでお願いしていたので、特にメインのボリュームがもう少し欲しいですね。エレゾと言えば、虎ノ門ヒルズビジネスタワー内にエレゾ直営のお手頃な肉料理店「エレゾゲート」が今月オープンしたので気になっています。

「レモンタルト、無花果アイス」
レモンタルト、無花果アイス
好物の無花果のアイスが芳しいフレッシュな香りでとても美味しかった。夏にぴったりの清涼感溢れるデザートでした。

2ヶ月ぶりの再開なので、勘を取り戻す意味もあるコース営業、カルトもあった方が、忙しいけど飽きずに楽しく料理ができるそうなので、もうしばらくすると完全に通常営業に戻りそうです。ビストロシンバは料理が美味しいのはもちろんですが、シェフ、サービスのチームとしての一体感が本当素晴らしい。菊地シェフの下、皆が同じ方向を向いているのがよく分かる人間味のあるレストランです。「ビストロシンバ」のコンセプトともなっている「香る料理」は料理そのものだけでなく、農家、漁師、畜産、現場で活動する人の思いなど全ての過程から感じられる香りが含まれているように思えます。この感覚はテイクアウトでは決して感じることはできません。

テイクアウトだと食べている時の様子が見られないのが辛いと、レストランの方が仰るのをよく聞きます。役者や音楽家、落語家、芸人などもそうですが、レストランで働く方々も、人の前で仕事をするという当たり前の事ができなくて、それは客の立場の人間が考えるよりずっと悔しいのではないでしょうか。それが日常になるとは絶対に思いませんが、当たり前の幸せを満喫できた、とても嬉しい馥郁たる「ビストロシンバ」でのディナーでした。ごちそうさまでした。

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