新橋演舞場でスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』を拝見、4年半ほど前にシネマ歌舞伎で視聴して以来です。
配役
小碓命後にヤマトタケル/大碓命:市川團子(澤瀉屋)
兄橘姫/弟橘姫:中村米吉(播磨屋)
帝:市川中車(澤瀉屋)
皇后/姥神:市川門之助(瀧乃屋)
タケヒコ:中村福之助(成駒屋)
ヘタルベ:中村歌之助(成駒屋)
犬神の使者/琉球の踊り子/新朝臣:嘉島典俊
ヤイラム/帝の使者:市川青虎(澤瀉屋)
ヤイレポ:市川猿四郎(澤瀉屋)
老大臣:市川寿猿(澤瀉屋)
倭姫:市川笑三郎(澤瀉屋)
国造の妻:市川笑也(澤瀉屋)
熊襲兄タケル/山神:市川猿弥(澤瀉屋)
尾張の国造/熊襲弟タケル:中村錦之助(萬屋)
みやず姫:市川三四助(澤瀉屋)
今月で1000回以上上演されている演目だけに安定感は十分。一幕目序盤は團子君と米吉君の早変わりが楽しい。寿猿さんが、年齢をいじられる事なく頑張ってるのに好感。錦之助さんの赤面は珍しいですが、やっぱり雰囲気はとても優しい。二幕目、弟橘姫の藤の衣装が可愛く、笑三郎さんの倭姫の大らかで艶っぽいキャラクターも素敵。もてもてのタケルと弟橘姫のいちゃいちゃシーンも新鮮です。タケルとタケヒコがいつ打ち解けたかがわかりにくく、何故ヘタルベがタケルをそこまで慕うのかが不明ですが、福之助君も歌之助君も良い。特にヘタルベの柔和な表情が堪らない。弟橘姫が生贄になってからの、船上でのタケル、あたふたする様子を格好よく演じるのは難しいのか。團子君の特に叫ぶ部分での高いお声は歌舞伎っぽくはないですがスーパー歌舞伎だし、子供と大人の狭間の青年らしくて魅力的なのかも。汗が凄いけど。三幕目「尾張の国造の家」では錦之助さんと笑也さんの名古屋弁を交えた会話にほっこり癒しの時間、控えめな化粧の笑也さんも素敵で、言う事はしっかり言ってしまう三四助さんのみやず姫も可愛らしい。笑也さんの「〇〇じゃあ〜りませんか」のチャーリー浜の言い方は何故。健気な姥神、頑張る白猪、山神たちの死んでも果たしたい恨み、タケルが瀕死の状態からはやや長く感じてしまいましたが、最後は宙乗りで何でもいいやって感じで終わる。
特別な感動は得られませんでしたが、ギリシャ神話の本を読んでいたので、ギリシャも日本も神様の方が人間より自由に好き放題生きており、自分の心に正直で迷わない。迷うのが人間らしさの1つなのでしょう。今更ながら「IHIステージアラウンド東京」でスーパー歌舞伎Ⅱで見てみたかった『ヤマトタケル』です。
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