8月中席 夜の部『納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集 主任:柳家権太楼』鈴本演芸場

鈴本演芸場で8月中席 夜の部『納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集』を拝見しました。

「権助芝居」柳亭市童
歌舞伎鑑賞後のためナイスな演目、マクラの歌舞伎、能、狂言に対するディスりも面白い。歌舞伎好きのエコ贔屓か、以前より凄く上手くなった気がする。下げは「今年のおかるはオスだんべ」
「曲独楽」三増紋之助
見ていた楽しく明るくなる曲独楽。最後は夏バージョンの長い棒に独楽と向日葵。とても可愛い紋之助さんですが、次の日から体調不良で休演。どうかお大事に。
「アジアそば」三遊亭白鳥
ターバンを頭に巻いたインド人?が経営する謎の蕎麦屋にて。宗教も国も無茶苦茶でテレビでは放送不能な内容に爆笑。下げは「さすが蕎麦屋だ、手打ちがうめぇや」
「加賀の千代」春風亭一之輔
鮑のし、熊の皮と似た雰囲気の落語は一之輔さんの十八番か。甚兵衛さんが隠居に可愛いがられるのもわかりますが、きっと余裕があればこそ。下げは「それは加賀の千代か?」「いや、かかの知恵だ」
「漫才」米粒写経
「狸賽」柳家三三
「午後の保健室」柳家喬太郎
中学校の保健室にて、おっさん?昭和初期のトレンディー俳優のようなエンドウ君と、腹痛でやってきたチャラいヤマザキ君の、本当に内容の無い、面白いだけの落語。これが1998年「NHK新人演芸大賞(落語部門)」大賞作品とは!素晴らしい!下げは「若いよな、還暦には見えない」
「雪の戸田川(お紺殺し)」露の新治
加賀千代女の「朝顔に 釣瓶取られて 貰い水」にかかっている?いや、そういう気が遣えるのは一之輔さんの方か。歌舞伎でお馴染みの『籠釣瓶花街酔醒』の序盤の話。伯山師匠の講談で聞いたことがありますが、落語の方が内容が軽めでおどろおどろしさは弱い。照明の明暗と鳴り物も良い感じ、情景が浮かぶ語り口が素敵。

「夢の酒」柳家さん喬
若旦那の夢に嫉妬する女房の描写(特に口もと)が最高。下げは「冷やでも良かったな」
「紙切り」林家楽一
線香花火、お相撲、住吉踊り、金魚すくい。
「粋曲」柳家小菊
都々逸「恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍に 身を焦がす」、両国風景など。
「唐茄子屋政談」柳家権太楼
初めて拝聴する権太楼師匠の唐茄子屋は人情味に溢れている。田原町ですっ転んだ徳兵衛の唐茄子を買ってあげる人の中に八百屋がいるのも楽しい。おじさんが優しくて、徳兵衛が女に売りだめをあげてしまったと言っても疑わない。一番疲れるという仲日に50分の熱演でした。素晴らしい。

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