「9 NINE(ナイン)1st season」浅草ロック座

「9 NINE(ナイン)1st season」浅草ロック座

約1ヶ月ぶりのロック座で「9 NINE(ナイン)1st season」を拝見しました。

「1景」ののか(入田真綾、武藤つぐみ、安藤もあ、永瀬かれん、黒城レイ)
ネットフリックスのオリジナルドラマ『AJ&クイーン』より、赤い壁、電球に囲まれた鏡で化粧を施すののかさん、そして鏡の中から登場するドラァグクイーンたち。流してる感じで踊る武藤さんが笑える。カラフルなレッグカバーの形状はバッファローマンを想像。後半はデニムのヒッピー風の衣装で。笑顔が素敵で勢いの付く1景。

「2景」黒城レイ(小宮山せりな、白鳥すわん)
不思議の国のアリスの「帽子屋(マッド・ハッター)」より、舞台中央にDJセット、顔がほぼ隠れて見えない白鳥さんの三月ウサギはシルバーの袖なしダウン、小宮山さんの眠りネズミは背中にネズミマークの入った黄色のローブ。お茶目なヒップホップダンスも可愛いが、思い出深い音楽、ビースティ・ボーイズ『Ch-Check It Out』からのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの流れがヤバ過ぎた。ロック座で流れる『Know Your Enemy』にアドレナリン噴出。コップの中のカラフルな紅茶からはどんな音楽が聞こえているのか。緑のモヘアの帽子、緑とオレンジの縞のロングソックス、ブルーの布を使ったダンス、最後のハイテンポなスカもとても良い。

3景」安藤もあ(武藤つぐみ)
歌舞伎でお馴染みの演目、まさかの『祇園祭礼信仰記 金閣寺』の雪姫に度肝を抜かれます。桜の花びらで描いた鼠の精は白い衣装に全身を包んだ武藤さん。安藤もあさんの体も顔の表情も硬い所作は黒澤明監督の映画『隠し砦の三悪人』の上原美佐を連想させましたが、奇しくも役の名前も雪姫!

4景」小宮山せりな(広瀬あいみ、ののか、永瀬かれん)
ゲームセンターの「GASE」のクレーンゲーム、こみせりさんは眠りネズミからハリネズミのソニック(KOMIC)へ、広瀬さんの超スマートなマリオ(SUPER MARCO)、永瀬さんの頭スライム(SLIME)、ののカービィ(Karbey)と可愛いコスプレ。またしても眠る小宮山さん、クレーンで持ってかれそうになるのを皆で助けるコミカルなダンスからレーザーを使った演出も面白い。後半はブルーの全身網タイツ、青い耳と帽子はソニックの名残、エアリアルフープは初めて拝見しましたがこれも凄い!特に最後の縦横無尽に飛び、跳ねる様は真にソニック、初音ミクの『Hand in Hand』の歌詞にも寄り添う小宮山さんの無垢な笑顔と空中パフォーマンスに感動が止まらない。最後の舞台上でのダンスも以前より断然上手になっており素晴らしい。

5景」白鳥すわん(ダンサー4名)
フレッド・アステアの『That’s Entertainment』、アメリカのマジックショーの雰囲気。ピンクのフリフリ衣装の白鳥さんに対し、中央で白と黒に別れたスカートスーツ風のダンサー衣装が格好良い。赤い布をステッキに変える簡単なマジックから、空のボックスから登場するイリュージョンマジックへ。ダンサーに劣らずダンスが非常に巧い白鳥すわんさん。『Over the Rainbow』のドレスとティアラとネックレスなど全てキラキラ、情感豊かなダンスが素敵。対角線上にリボン投げの男性がばっちり見えて、白鳥さんより、そちらに目が行ってしまいます。どっちも凄いわ。

6景」永瀬かれん(入田真綾、ダンサー4名)
ルパン三世、赤いライダースーツの峰不二子、銭形警部とミニスカポリス。ルパンと銭形を想像させるコミカルな演出が楽しく、懐中電灯とレーザーを使ったダンスも楽しい。後半は黒いドレスで盗んだ大きなダイヤモンドを持って。永瀬かれんさんを拝見するのは2回目ですが、やはり困った切ない表情で、満たされない不二子の心情と合っている。終盤、本舞台上でのブルーのライトによるシルエットが格好良い。

7景」広瀬あいみ(安藤もあ、黒城レイ)
『アメリカン・ジゴロ』、スリットが深く空いた揃いのセクシーな黒いドレスの3人はジゴる方なのか、ジゴられる方なのか。後半はブルーのスリップドレス。美しいプロモーションと風格が正統派な演出にぴったりで、何気に印象深い。

8景」武藤つぐみ
1年ぶりに怪我から復帰の武藤つぐみさん、古典好きには嬉しい道成寺物ですが、完全に武藤つぐみさんのどうかしてる世界観に再び度肝を抜かれます。能よりは歌舞伎の演出に近いですが、小面風の能面は、実際のものより大きく、バランスの悪さと烏帽子、着物風の衣装が異質な雰囲気。後半は黒いアイマスク、黒い腰布、赤く長い腰紐、ずっと顔を見せないのも凄い。久しぶりに盆が向上するのを見ましたが、鐘の上に乗る清姫のイメージ。荒れ狂う蛇を模した長い腰紐が前列の客にバシバシ当たる様に、隣の外国人が爆笑していましたが、そこは文化と思い入れの違いか。盆が下がった後、足首に腰紐を巻いた状態でのダンスが良い。最後の全裸での立ち姿も勇ましく圧巻、もはや安珍など必要としていない。

9景」入田真綾(広瀬あいみ、小宮山せりな、ののか、白鳥すわん、ダンサー4名)
ミュージカル『ムーラン・ルージュ!』、初めて拝見する入田真綾さんはシルバーのラメドレス、演者は華やかな赤いドレス、ダンサーはメンズライクなパンツスタイルの9名による力強いダンス。小さい体でキレの良いダンス、大きい口でチャーミングな印象通り、ウインクも連発、盛り上げるのが上手い。盆を囲むように置かれた大きいショッキングピンクのマラボーの中央での倒立ポーズが素敵。お顔の印象からか何故か瀬川瑛子さんを連想し、親しみを感じる。

「フィナーレ」出演者全員
ミュージカル「NINE(ナイン)」の『Be Italian』、赤と黒の衣装で椅子を使ったダンス、人数が多いと迫力有ります。武藤さんの奇天烈なメンバー紹介、安藤もあさんが「and more…」に聞こえて笑える。最後の中央に集まって黒いロングシャツを投げ捨てる所は少しバタバタ。途中休憩も5分とギュギュッと浅草ロック座らしさが緻密に凝縮された舞台でした。

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