久々の木馬亭で浪曲を堪能した後は、浅草ロック座で「新春公演 浪」を拝見しました。一回目公演「フィナーレ」から入場すると、満員立見の方も多くびっくり。
「三番叟」原美織、藤川奈緒、椿りんね
拍子木、東西声、口上と続く伝統芸能でお馴染みの流れ、口上は出演者の自己紹介のみで新鮮。「三番叟」は翁、千歳は登場せず、三番叟烏帽子を被った3人の三番叟の可愛い踊り。天地雅楽の「風の王国」は雅楽なのだが、その混沌もナイスです。
「1景」沙羅（ダンサー4名）
琉球の女王のようなイメージ、今年の干支、龍をイメージしたクールなダンスから白いドレスは巫女の様子で荘厳な雰囲気さえ漂う。リボン投げもふんだんに入り、今日の沙羅さんの誕生日を寿ぎます。
「2景」花井しずく（鈴木ミント）
大正ロマンなカップルなイメージかと思いきや、愛しすぎて殺そうとしてしまう女、人間らしからぬ動きを実現する超柔軟な体が演目にぴったり。ロック調の「天城越え」に乗せた狂気、前後180度開脚、海老反り本当凄い！
「3景」椿りんね（沙羅、鈴木ミント、藤川奈緒）
映像から始まる「パワーパフガール」のパロディ、ブロッサムが椿りんねさん、バブルスが鈴木ミントさん、バターカップが藤川奈緒さん、だったか。何よりも赤い悪魔カレ役の沙羅さんがチャーミング過ぎる。最後はバブルガンも炸裂。
「4景」原美織（南まゆ、藤川奈緒、花井しずく、ダンサー4名）
歌舞伎役者でも難しい「人形振り」に度肝を抜かれる。人形よりはロボットに近いが楽しい一幕。ダンサーによる和太鼓の演奏、人形と人形使いが入れ替わる演出が切なくて良い。イメージは曽根崎心中のお初徳兵衛か。切ない。最後の曲は「ロミオとジュリエット」の「タイム・フォー・アス」、ぴょんぴょん跳ねる明るい美織さんを見たかったが、とにかく切ない。小さい背中が切ないです。
「5景」鈴木ミント（南まゆ、原美織、椿りんね、花井しずく）
1月8日から新春ムービーが公開されるそう。そして古典の「白浪五人男」ならぬ「志ら・浪・五・人・女（女のみ赤字）」、傘が小さくて可愛く、黒衣の登場も良い。そこからの戦隊シリーズのお面、黒とブルーのバイカラーの着物ドレス。最後はペルソナ5の「ライフ・ウィル・チェンジ」、とにかく「5」を担いだ5景でした。
「6景」藤川奈緒（原美織）
元気なイメージのある藤川さんですが、これまた切ないすれ違いの恋。舞台には上から吊るされた沢山の白い布、愛する女性は結局死んだしまうが、自分の命を身代わりに生き返らせたのか。バレエ調のダンス、ブルーの髪にブルーのドレス、可愛らしい見た目と裏腹にも思える表現力の高さ、素晴らしい。
「7景」南まゆ（沙羅、椿りんね、ダンサー4名）
ダンサーは、チューブトップにヒラヒラの着いたフラメンコ調のダンスパンツと異国情緒漂う衣装。南まゆさんのエレキギターに撥という組み合わせに良い意味で呆然。頭飾りも可愛い白い衣装に着替えてからは、私の感覚だとトリには珍しい笑顔と豊かな表情、圧倒的アイドル、癒しの女神パナケイア感が素敵。「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」は盛り上がり必至。
「フィナーレ」
「浪漫飛行」に乗せて、着物風な衣装なのに、2名は何故かブラスバンドのトランペットの振り付け、この混沌は正ににロック座でしか体験できないかも。正月公演なので、もっと明るい雰囲気と想像していたのですが、ロマンチックな景が多かったのは驚きです。まだまだ新鮮な浅草ロック座、今年も通います。
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