秀山祭九月大歌舞伎 夜の部『菅原伝授手習鑑 車引』『連獅子』『一本刀土俵入』歌舞伎座

秀山祭九月大歌舞伎 夜の部『菅原伝授手習鑑 車引』『連獅子』『一本刀土俵入』歌舞伎座
歌舞伎座で「秀山祭九月大歌舞伎 夜の部」を拝見しました。まずは定番の『菅原伝授手習鑑 車引』です。

配役
松王丸:中村又五郎(播磨屋)
梅王丸:中村歌昇(播磨屋)
桜丸:中村種之助(播磨屋)
金棒引藤内:中村吉二郎(播磨屋)
杉王丸:中村鷹之資(天王寺屋)
藤原時平:中村歌六(播磨屋)

三つ子の三人を親子で演じて楽しめちゃうのは歌舞伎ならでは。本当は緊迫感のある場面ですが、何となく朗らか。又五郎さん、お若く見えるけど67歳なのか。名題になった吉二郎さんも気合い十分、ハスキーなお声が猛るお役にぴったり。歌六さんの時平はやっぱり、ちょっと優しい。

2本目も大定番の演目『連獅子』です。

配役
狂言師右近後に親獅子の精:尾上菊之助(音羽屋)
狂言師左近後に仔獅子の精:尾上丑之助(音羽屋)
僧蓮念:中村種之助(播磨屋)
僧遍念:坂東彦三郎(音羽屋)

実の親子の連獅子はそれだけでも良き。丑之助君もお顔が凛々しく化粧映え、所作についてはもちろんこれからな感じですが、息子を気遣う菊之助さんの視線に惚れる。昼の部から連続観賞のためか、宗論は寝落ち。。。彦三郎さんのよく通るお声でも無理なものは無理。菊之助さんの綺麗な毛振りと、丑之助君の必死に頑張る毛振り。将来のために無理せずに、と祈るばかり。

3本目は長谷川伸の名作「『一本刀土俵入』ですが、今月の演目で一番好き。

配役
駒形茂兵衛:松本幸四郎(高麗屋)
船印彫師辰三郎:尾上松緑(音羽屋)
堀下根吉:市川染五郎(高麗屋)
船戸の弥八:中村吉之丞(播磨屋)
若船頭:大谷廣太郎(明石屋)
酌婦お松:中村梅花(京扇屋)
町人伊兵衛:澤村宗之助(紀伊国屋)
清大工:松本錦吾(高麗屋)
河岸山鬼一郎:大谷桂三(十字屋)
子守娘:中村芝のぶ(成駒屋)
波一里儀十:中村錦之助(萬屋)
老船頭:中村東蔵(加賀屋)
お蔦:中村雀右衛門(京屋)

取手の宿の場」、雀右衛門さんの珍しいお役、蓮っ葉で勝気なお蔦が素敵。2017年の「六月大歌舞伎」で拝見した猿之助さんのお蔦の色気が蘇ってきましたが、若々しさは不思議と雀右衛門さんの方が感じる。三味線を引き、背中を向け唄う小原節の哀愁も堪らない。全く頼り甲斐がない取的(最下位の相撲取り)、茂兵衛役の幸四郎さんの演技も、この後の変化を考えるとやり過ぎと思えなくもないですが、お茶目でコミカルで楽しい。「利根の渡しの場」で女性が歌う子守唄の美しい音声が流れてるなと思ってたら芝のぶさんでびっくり。昼の部の前に昭和通りを歌舞伎座に向かい、歩いていらっしゃるのを拝見し、いつ登場するかと期待していたら、まさかの最後の演目。娘役ですが、役作りが半端ない。素晴らしい。「布施の川べりの場」の船頭、船大工が醸すのんびり鄙びた雰囲気も素敵。東蔵さん、錦吾さんの巧さは当然として、サイコロもちゃっかり回収している廣太郎君の風貌がのほほん、とても良い味出してる。錦之助さんの悪役も新鮮、苦味もあり(最後以外)格好良い。「お蔦の家の場」から舞台が廻り「軒の山桜の場」へ、用心棒弱過ぎ、波一里も弱いですが、幸四郎さんと錦之助さんの相撲は楽しい。最後は長谷川伸らしい、切ない幕切れです。

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