「みやざきの神楽 桂神楽(諸塚村)」国立能楽堂公演

国立能楽堂で「みやざきの神楽 桂神楽(諸塚村)」を拝見、抽選で外れ続けていたため3年ぶりです小川直之さんの(國學院大學名誉教授)解説によると、中世紀(1500年代)の資料が残っているのは非常に珍しく、濃密に語り継がれている唱教(しょうぎょう)は唯一無二、と言ってもいいそうです。

宮神楽
女性の神官による神道の唱えことばから始めりますが、これがとても素敵。宮神楽は三番叟のような土地の霊を鎮め、神前を清める神楽。

荒神の言い句
二神が登場するのも比較的珍しいが、謡で問答するのは唯一とか。神主の台詞量が莫大で大変そうですが、問答が楽しい。「(神主)初花の しぎょうひらける るりの地に あうんとみえし なにぞふすもの」「(荒神)初花の しぎょうひらける るりの地に われ荒神が ふさにてあたれやふすらん」、「(神主)日本を とうろうひとつに はりこめて 富士がお山を ろうそくにせん」「(荒神)日本を ただひとくちに くうたれど 富士がおやまは はにもはさらん」など大らかで素朴な問答が続きます。途中で神官が勧める酒を荒神が「いや〜なかなか」と狂言のような文句で断り続けるのも愉快です。文句に様々な仏教が入り混じるのも興味深い。

お大神
通常3時間のところを50分で。天照大神のいわれを解きますが古事記などとは解釈が違い、天竺より日本に天下ったと。場面展開が「る〜」という巻き舌が合図なのも特徴的。これは複数舞でも一人舞でも行う。

かんずい
定番の刀を使った舞、50分ほどですが、後半は一人の刀舞に。体力の限界の舞手に応援の声や手拍子が起こり会場に一体感。

座はり
桂神楽の主祭神「八幡様」による厳かで長閑な舞。東京で宮崎の神楽が見られる、しかも無料で、とても希少な機会、4時間の長丁場でしたが、また次回も参加したいです。

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