
前座「寛永宮本武蔵〜伝道場破り」神田松樹
神田松鯉師匠にまだ前座のお弟子さんがいたことに驚き。石川巌流、佐々木岸柳、偽物の岸柳が出てきてややこしい。最初はふわふわでしたが、後半はしっかり。緊張感が逆に良い雰囲気に。
「腕白竹千代」神田鯉花
二代将軍徳川秀忠の息子、兄竹千代、弟国松の子供時代の後継争いの話。後の春日局、竹千代の乳母お福が奮闘。やはり女性と子供の描写はうまい。丁寧な読み口のほっこりした講談でした。
「転宅」春風亭柳雀
2年ぶりに拝聴、演目は同じ。NHK「ドキュメント72時間」に出演した際のマクラから。ほぼフルバージョンの転宅は面白い。
「太神楽」鏡味味千代
五階茶碗、撥を使った一つ鞠、傘の曲芸。
「出世浄瑠璃」神田伯山
群馬県と長野県の境にある秋の碓氷峠の話。信州松本の城主松平丹波守が参勤交代で江戸に向かう途中に松平伊賀守の家臣、尾上久蔵と中村大助の語る浄瑠璃を聞いたことから問題発生。丁寧な講談師、当時の浄瑠璃は流行歌で現代のあいみょんの例えがわかりやすい。羽織を脱ぐタイミングも爆笑。久蔵が、松平伊賀守に猪と格闘した話を講談調で説明する部分は流石に巧くて面白い。笑いのとても多い楽しい演目。伯山さんが初めて紅葉に感動したという秋の碓氷峠、小ゑん師匠の「恨みの碓氷峠」でも馴染み深い碓氷峠にも行ってみたくなりました。
「天明白浪伝〜徳次郎の生い立ち」神田阿久鯉
沢山の民衆に拝まれながら市中引き回しに合う義賊、天狗小僧霧太郎を見たことから盗人になることを決意した徳次郎(後の神稲小僧)。口明けの盗人ということで30両をくれてやる太っ腹の師匠が格好良い。
「蒟蒻問答」三遊亭遊馬
ほんわかしたムードが内容にあっている。
「幇間芸」松廼家八好
初めて拝見した幇間芸、日本、しかも浅草で6人の絶滅危惧職。スピードワゴンの井戸田さんに似た雰囲気で声が大きいのも同じ。巧みな話芸が素晴らしい。羽織紐の3種類の結び方、吉原細見の売り声、蝙蝠踊り、黒田節とサンタ・ルチアの融合。楽しい。
「水戸黄門記〜雁風呂由来」神田松鯉
以前に助さん角さんバージョンを聞きましたが、今回は俳諧師の松雪庵元起(しょうせつあんげんき)がお供の本寸法で。奥州で大きな松に数十羽の雁金が止まった絵(実は土佐光起=吃又が作者)が書かれた屏風を見た黄門様。それを説明したのが恩義のある大商人淀屋辰五郎の二代目。ゆっくりとわかりやすく為になる講談です。
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