歌舞伎座で「三月大歌舞伎 第二部」を拝見しました。一本目は『天衣紛上野初花 河内山(こうちやま)』質見世より玄関先まで、です。
配役
河内山宗俊:片岡仁左衛門(松嶋屋)
松江出雲守:中村鴈治郎(成駒屋)
宮崎数馬:市川高麗蔵(高麗屋)
腰元浪路:片岡千之助(松嶋屋)
番頭伝右衛門:片岡松之助(緑屋)
北村大膳:中村吉之丞(播磨屋)
米村伴吾:澤村宗之助(紀伊国屋)
黒沢要:中村亀鶴(八幡屋)
大橋伊織:坂東亀蔵(音羽屋)
和泉屋清兵衛:河原崎権十郎(山崎屋)
後家おまき:坂東秀調(大和屋)
高木小左衛門:中村歌六(播磨屋)
仁左衛門さんの河内山は初めてですが、抑えた演技が素敵。きっとこういう微妙な演技は近くで拝見した方がいいんだろうな。途中、仁左衛門さんが舞台にいない「松江邸広間の場」、鴈治郎さんの松江出雲守、千之助君の浪路が印象薄で、ちょっと寝落ちしまいましたが、北村大膳に素性がバレてからの啖呵が格好良過ぎ。最後は花道からはける予定が、腰を痛めてしまった?ようで「幕を閉めろ〜」と舞台上から、トラブルでもしっかり河内山になっているのが素晴らしい。となると上野寛永寺の道海に化けた河内山のよぼよぼ歩きは、演技でもなかったのか。そして次の日から仁左衛門さん体調不良により休演とのアナウンスが。どうかお大事に。
二本目は落語の「芝浜」でもお馴染みの『芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)』です。落語の「芝浜」もそこまで好きでなかったので、2018年「三月大歌舞伎」は拝見しておらず、初鑑賞です。
配役
魚屋政五郎:中村菊五郎(音羽屋)
政五郎女房おたつ:中村時蔵(萬屋)
左官梅吉:河原崎権十郎(山崎屋)
錺屋金太:坂東彦三郎(音羽屋)
丁稚長吉:寺嶋眞秀(音羽屋)
桶屋吉五郎:市村橘太郎(橘屋)
大家長兵衛:市川荒五郎(三河屋)
金貸おかね:中村東蔵(加賀屋)
大工勘太郎:市川左團次(高島屋)
真っ暗な舞台に波の音、芝の浜で政五郎のクシャミからスタート。大金の入った財布を拾い、一目散に自宅へ。おたつに財布を預け、湯へ行き、そのまま酒盛りへ。無駄に楽しい酒盛りのシーン、彦三郎さんの良い声な小唄も堪能、面白いけどちょっと長いな。左團次さんの勘太郎との女房自慢から喧嘩に、そのまま寝てしまう政五郎。起きたら金貸おかねが。東蔵さんの狸婆な感じが良いね。財布を夢にしてからの流れが、とても感情的、感情的には一番マックス。3年が過ぎ、魚政が立派になってからは丁稚長吉の寺嶋眞秀君の見せ場、弁天小僧菊之助、髪結新三、お嬢吉三などを連続披露、劇場の盛り上がりは一番マックス。おたつによる夢の種明かしはあっさりで、酒も飲んじゃうんですね。最後は獅子舞も登場した目出度く幕切れ。
政五郎は設定では30歳前後かと思うのですが、熟年夫婦にしか見えないのはいたしかたなし。落語の「芝浜」との違いも沢山あって、それはそれで面白かった。来週に第一部も楽しみです!
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