渋谷のパルコ劇場で宮藤官九郎さん作・演出の舞台『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』を拝見しました。
作・演出:宮藤官九郎
出演:のん、村上虹郎、三宅弘城、荒川良々、伊勢志摩、少路勇介、よーかいくん、YOUNG DAIS、宮藤官九郎、藤井隆
宮藤官九郎さんの舞台は初めてですが、出演者の半分以上が初見の方!のんと虹郎さんは役名もそのまま、虹郎って本名?素敵なお名前、UAの子供なのか。荒川良々さんは警官、レコード屋の爺い、ホイさんの嫁?の3役、三宅弘城さんが宇宙人3役、よーかいくんはスリムな体型を生かした旧型ロボット(官九郎さんと少しかぶる)、少路勇介さんが虹郎の子供時代を演じる子役、一番弾けてた気がする器用な役者、伊勢志摩さんは岩手県出身なのね、キムラ緑子さんへのリスペクトが凄い。宮藤官九郎さんが、のんのお爺ちゃん(DOBSのギタリスト全否定)、テレポーテーションを使う超能力者、YOUNG DAISさんが、警官実は新型ロボ役、藤井隆さんが大江三千里役かな。メインキャスト以外にも皆様2、3役を演じており大忙し。
最初の映像で出てきた皆川S太郎って誰?N太郎が出てきたのには笑った。もはや芸人かよ。舞台は2055年の渋谷、11年前の戦争で10分で日本人の10分の9が死滅、のような設定だった、と思う。手には赤いギター、背中に卍型スマホを背負ったのんが登場すると舞台が華やぎます(ギターが特技らしいが、ちょっと雑な感じ、本当に弾いてた?)。人見知りで上手く喋れないためテレパシーを使えるのですが、寄り目で顎がしゃくれ、声がおっさん(でんでん)になるという特性有り、あと方向音痴。変顔が舞台にドアップになる役は普通の女性役者にはできないのでは。のんさんはちょっと特殊な役者なだけに、『この世界の片隅に』でも証明されているように、ハマった時の破壊力は凄まじい。幕間後はボーカロイド(オーナロイド)に変装してポップな衣装に、いや、可愛いっす。
良々さんの藤井隆さんへの無茶振り(キイチのTシャツピッチピチの歌?)、ミニスカートを履いた姿に爆笑、体型のバランスおかしいだろ!三宅弘城さんとベンチに並んで座った時に、背がかなり高い良々さんの方が頭が下にあるって意味不明!良々さんの体の変なバランス、一番面白かったかも。高円寺のレコード屋の爺いの演技も最高でしたね。本当、確信犯な悪い役者です。あと映像で登場した清水ミチコさん、それは、卑怯です。幻のロックバンドDOBSの演奏格好良かったな〜、ボーカルのギャー子最高、こんな状況でライブが開催されないので久々の和楽器以外の生演奏聞きました。60年振りの、マスと曲を言い間違える全否定にも爆笑。爺いが弾くエレキギターって格好良い。
タイトル通り「屁」が重要、各客席にもブーブークッションが置かれており、後に活躍。屁に関する落ちはかなり荒唐無稽、フェスの会場は岐阜?などの疑問もありましたが、屁は使いようによっては世界を滅亡させることも救うこともできる。しかし、これは名前が物語と強く関連しているのん(=全肯定)と虹郎君(=多様性)ありきの脚本だったのか。みんなちがって、みんないい、生きてることが超能力、ひたすらに馬鹿らしくてお手軽、底抜けに前向きな物語、カーテンコールは1回だけでした。
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