外苑前にあるフレンチ「L’EAU ロー」でランチをいただきました。2018年11月にオープン、銀座の三笠会館のイタリアンでも働かれていたという清水崇充シェフのお店です。
「色々出汁スープ」
肉や野菜など色々素材の出汁のスープ。美味。
「水 葉 土 樹」
料理名、器など自然を意識したモダンフレンチ。「水」はジュレに閉じ込めた日本雉と蓮根、「葉」は花、ハーブ、鱈のブランダード、「土」は牛ホホ、クミン、パセリのクロケット、「樹」は団栗に摸したフォアグラ、ポートワイン、カカオ。見た目の面白さだけではなく、お味もちゃんと美味しい。
「秋刀魚 ビーツ」
秋刀魚、荏胡麻、ガリのロールの上にパールオニオン、赤オクラ、鱒の卵、ビーツのホイップクリーム。最近寿司屋で流行りの巻き寿司のアレンジ。嬉しい今年初秋刀魚。
「天然鰻 菊芋」
天然鰻は岡山県児島湖のもの、白焼きにして細かく刻んでありますが、海鰻に近い力強さを感じる。瀬戸内海より流れ込む児島湾奥の人口湖だそう。菊芋ピューレとチップ、金目鯛、紫蘇、木の芽、ウドとコンソメのソース、仕上げに桜チップで燻製。色々な素材が入っていますが、鰻の存在感が強く、他素材がしっかり底上げしている感じで美味。
「自家製ライ麦パン」
外はザックリ、中はもっちりの自家製パン。オーストラリアの発酵食品のベジマイト(ビール醸造の副生成物)の入った発酵バターと合わせて非常に美味しい。
「石黒農場のホロホロ鳥」
ホロホロ鳥の白レバー、ミンチ、胸肉の三層構造、上にブータン産松茸、最後に5時間煮込んだホロホロ鳥ガラのスープを掛けて。ホロホロ鳥の濃厚かつ上品な旨味を存分に感じられます。今日の料理で一番好きかも。
「クエ 発酵キノコ 螺貝」
下にツブ貝、ケッパー、ハーブのラグー、ツブ貝の出汁の泡、発酵キノコのソース、柚子風味の黒米煎餅、黒トリュフ。むっちりとした食感を残した良い具合の火入れ。やっぱりクエって美味しい魚です。
「蝦夷鹿 茄子 馬告」
蝦夷鹿の内腿の炭火焼、上にマリーゴールド、ソースはフォンドヴォー、自家製ベーコンとコブミカン、台湾のスパイス馬告(マーガオ)、茄子のエスプーマ。力強い食感と血、野趣を感じる旨味に炭の香り、マーガオのアクセントが素敵。
「シャインマスカット ベルガモット」
ベルガモットのソルベ、下にベルガモットシートと桃ジャム。とても爽やかなお口直し。
「栗 パンデビス プリアサヴァラン」
美味しいチーズ、プリア・サヴァランのアイス、栗と林檎の組み合わせも面白い。
「苔 緑 茸」
最後は自然に戻り、「苔」は抹茶のクリームと栗チップ、「緑」は超リアルな葉っぱに摸したチョコレート、「茸」はサブレと生キャラメル。
素材の組み合わせは非常にモダンでしたが、素材の味わいも強く、ソースも美味しい。モダンフレンチはお店によってはお皿にぽっちりみたいな料理で多皿という場合も多いですが、一皿のポーションも食べ応えがあるのがとても良い。清水シェフの美味しいものが好きそうな風貌、朗らかな人柄も素敵。秋は美味しいものが多くてメニューを見るだけでも嬉しくなります。「木の間より もりくる月の 影みれば 心づくしの 秋はきにけり」、また季節を変えてお伺いしたいです。ごちそうさまでした。
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