よく訪れる鮨店の親方から「かどわき行ったことあります?どうなんですかね?」「いえ、そのお店知りませんけど。」という会話から興味を持った麻布十番の日本料理店「麻布 かどわき」にお伺いしました。なんと創業して20年、ミシュラン3つ星の超有名店でした!なんか済みません。予約サイトomakaseで予約の際、オプションが沢山出てくるのが笑える。ちなみに10月のコースで一番高級なのは、『おまかせコース+白トリュフご飯+うにとキャビアの素麺+フカヒレ+白トリュフと白身魚のお造り+ハモと松茸のお鍋+焼き松茸(93,000円/税サ別)』!!もちろんゼロオプションでお伺いさせていただきました!なんか済みません!!
「筋子、栗、紫ずきんの飯蒸し」
初めて食べる「紫ずきん」は丹波黒豆から生まれた黒大豆の枝豆だそう。そう言えば先日人形町の「ぼんくら」で食べた青森県の毛豆は超旨かったな。
「京鴨ロース、茄子、万願寺唐辛子、鱧と湯葉」
鴨は力強い旨味。まぁここまではほんのご挨拶。
「松茸のコロッケ」
中は松茸ぎっちり、香りがコロッケの中に封印されている感じで、鼻から抜け、体に満ちる心地良さ。これは旨い!焼いたり鍋に入った松茸なんかより好きだな。柚子のタルタルソースもとても美味しい。
「鮃の刺身、白菜、浅葱、紫蘇」
刺身も普通に山葵醤油では食べさせません。
「あん肝、海苔」
七味唐辛子の辛味を効かせたあん肝ペーストを付け、海苔で巻いていただきますが、今日の料理で唯一理解できない組み合わせ。優しい鮃の風味が消えてしまうので、別々に食べた方が美味しいのでは。
「琵琶湖子持ち鮎、白うるか」
琵琶湖の鮎は子持ちでも可愛いサイズ、苦味はありません。やはり鮎は骨の気にならない小さいものが好み。熱燗は九頭竜しかないのが残念ですが「うるか」うめ〜。子持ち鮎にうるかを塗ったくって食べるなんて、酒飲みには最高だわ。
「ずわい蟹、玉蜀黍、フォアグラ、トリュフ、白味噌」
玉蜀黍のジュースで作りましたとの説明でしたが、フレンチのフランのようなイメージでしょうか。玉蜀黍とフォアグラは間違いない組み合わせ。中にずわい蟹もたっぷり入っており贅沢な一品。ここ数年で、どこの和食店も馬鹿みたいにフォアグラ、白黒トリュフ、キャビア、フカヒレなど外国の高級食材を使い始めたのは「麻布 かどわき」の功罪なのか?パイオニアだけあり、的確な高級食材の使い方が素晴らしい。
「茨城県鹿島産 蛤の鍋」
朝鮮蛤の日本最大の産地は鹿島灘だそう。「チョウセン」と付いていますが、実は日本の在来種。鹿島では「朝鮮」という漢字は使わず「汀線」という当て字を使用しているそう。ちなみに三重県桑名沖で取れるのは頭に何も付かない「蛤」、ちなみに似た貝に「ホンビノス貝(仮称:大アサリ、白蛤)」というのも居ります。あぁぁ、ややっこし。
春夏が旬なので、お味はどうかなと思ったのですが非常に滋味。
貝の身よりもスープが美味しいです。
湯葉、水菜を加えて。黒七味で味変も可能ですが、そのままで十分。
ふんわりとしながらも強い食感を楽しめる湯葉も美味。
「お新香」
ご飯のお供。量感がグッド。続いて名物の土鍋ご飯が登場。
蓋を取って門脇親方自らトリュフをすりすりすりり。
個室だったので、トリュフの芳潤で重量を感じられる香りが充満します。
「トリュフご飯」
ご飯が見えないほどの分量で。久々にこういう料理をいただいたのですが、やはり生の匂いは、トリュフ風味などとは全く違い、幸せを感じる匂いです。現在「源氏物語 宇治十帖」を読んでいるのですが、あからさまに艶やかで肉感的なトリュフは「薫」より「匂」の印象です。
出汁、バターと醤油で仕上げた炊き込みご飯との相性も抜群。
トリュフの香りだけなく、しっかりと味わいも感じられるのが素晴らしく、和食の範疇に納まる料理として仕上がっている点も素晴らしい。これは旨い。別添えの刻み海苔も良いアクセントとなります。お茶碗2杯分しかありませんでしたが、無限にいける。
「メロン、梨、ピオーネ、リコッタチーズ、トリュフの蜂蜜漬け」
最後の甘味もトリュフ。使い方がとてもお上手。
八寸なども無く全10品ほどと今時の和食店にしては料理数は少なめですが、1品1品のボリュームがあるため、お腹もいっぱいになりました。オプションを付けなくても十分満足、合計も3万円未満で納まり、価格的にも納得できます。トリュフご飯は比喩で無く後引く美味しさでございました。また機会があれば再訪してみたい日本料理店です。ごちそうさまでした。
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