神保町シアターの企画「生誕百年記念 映画女優・原節子」で『女であること』を拝見しました。川島雄三監督の作品は『銀座二十四帖』『風船』など見ているのですが、どうも印象薄です。今回は如何に。
配役
佐山貞次:森雅之
佐山市子:原節子
三浦さかえ:久我美子
寺木妙子:香川京子
清野吾郎:三橋達也
有田真:石浜朗
三浦音子:音羽久米子
しま(佐山家女中):中北千枝子
映画は大阪の街を自転車で走るさかえの後ろ姿から始まり、突然主題歌、映画と直接は関係無い美輪明宏の歌う「女であること」のインパクトが凄い、「女であること、それは育ち過ぎた子羊 エレガントな豚、帽子の好きなキツネ・・・」という歌詞もそうですが、美和さんの存在感がやばいです。後で思い返せば美和さんの存在と歌詞が映画の内容を如実に暗示していたようです。
久我美子演じるさかえに終始イラついてしまいました。本当このキャラ嫌い。有馬稲子さんとか岡田茉莉子さんが演じていればもう少しマイルドになったかもしれませんが。生理的にダメ。原節子さん演じる市子の夫貞次、元恋人の吾郎に嫌がらせのように接近するのは、愛情の裏返しか。誰にでも接吻するさかえが「子供なもんですか」、そして出演者は皆残酷、人を殺めた父が死刑になるかどうかの妙子に「幸せなのね?」と聞く市子、「君の遺伝は悪いよ」と言う市子の恋人の真。最後は吾郎はカナダへ、妙子父も死刑を免れ、貞次は事故で怪我、市子は妊娠し、さかえは1人で京都へ旅立ちハッピーのようなアンハッピーのような幕切れ。「東をどり」開催中の新橋演舞場が一瞬出てくるのに萌えつつも、唯一の救いは終始、健気さを見せた妙子役の香川京子さんです。「山の音」に続き原作は川端康成さん、恐るべし。
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