1986年創業、フランス料理界のレジェンド、斉須政雄シェフのお店「コート・ドール」にお伺いしました。三田の閑静なマンションの1階にあり、古き良きクラシックなフランス料理店らしいとても良い雰囲気。コースは無くアラカルトでの注文ですが、デザート2種含め料理メニューが7種類しかないのにびびった！そんな訳で「季節の野菜の蒸し煮」以外を全ていただきました。
アミューズ「桜海老、グリュイエールチーズのブルスケッタ」
チーズによって引き立てられる桜海老の香りが良い。
「桜鱒の燻製、ラビゴット・ソース和え、季節の野菜」
ねっとりとした質感で舌に絡む美味しい桜鱒。
「香川産マナガツオのロースト、グリンペッパーソース」
しっかしりした火入れですが、素材の旨味もしっかり、爽やかなソースも良い感じ。マナガツオは大好きな魚です。
「フランス シストロン産仔羊のロースト、タイムソース」
鞍下肉とパン粉を付けたカブリのロースト、こちらもシンプル！溜まった肉汁がそそります。とても柔らかい肉質、クセをほとんどありませんが、しっかり羊らしさも感じられる美味しい仔羊。何気に付け合わせのジャガイモも美味。仔羊、旨いです。
「国産牛テールの煮込み、赤ワインソース」
「コート・ドール」のスペシャリテ、ほろほろに煮込んだ牛テールの煮込み、どれくらいの技術が必要なのかはわかりませんが、無骨で壮観なビジュアル。
付け合わせの甘みの強い人参のムース。見た目のインパクトに反して肉、ソース共にお味は柔らか。
フォークで触れるだけでお肉が取れる、歯のいらない柔らかさ。
「酸果桜桃のミニパウンドケーキ」
こちらもスペシャリテのよう、40分ほどで掛けて焼き上げるという出来立てのパウンドケーキ、酸味強めの桜桃のシャーベット付き。酸果桜桃（サワーチェリー）は主にお菓子やジャムに向く酸味の強いサクランボ。ぎりぎりサックリとまでいかない食感が絶妙、口の中で広がる香りと、ほんのり温かくとろける質感が素晴らしい。
「小菓子」
最後はコーヒーをいただき、ゆっくり過ごさせていただきました。
料理、サービス、雰囲気全てにおいて他のフランス料理店には無い独特な冷静さ、その中に情熱や厳格な仕事を感じられる不思議なレストラン。流行に左右されない地道な料理、堪能させていただきました。今は一度行ったら、もういいかなという印象ですが、もしかしたら、また斉須シェフの料理が無性に食べたくなる日がやって来るかもしれません。ごちそうさまでした。
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