月末は歌舞伎などの公演がなく以外と暇、レストラン予約もなかったため久々に鈴本演芸場へ。会場の15分前に到着するとすでに長蛇の列に吃驚！一之輔さん人気あるな〜。席数半分以下とはいえ、前座が上がった時点で残10席だとか。一之輔さん以外の出演者も良いとはいえ、落語もまだまだ人気ありますね。良いことです。
前座:「子ほめ」春風亭枝次
春風亭㐂いち「出来心」
好きな演目ですが、時間の関係で最後兵衛の家を逃げ出すところで終了、羊羹美味しそうに食べましたね。下げは「いけねぇ、あそこに下駄忘れてきた」
ニックス「漫才」
姉のエミ（ツッコミ）、妹のトモ（ボケ）の姉妹コンビ。拝見するのは2回目ですが、面白かった〜。内容は料理あいうえお作文、2019年に姉エミさんがご結婚されたそうで婚活パーティー話。トモさんの愛のある姉イジり（ディスり？）に、笑顔で無感情な「そうでしたか〜」の相槌が笑える。
柳亭こみち「ほっとけない娘」
初めて拝見した女性の落語家。柳家小ゑん師匠の新作落語だそう。父に和辻哲郎の『古寺巡礼』をプレゼントされたことをきっかけに仏像好きになった娘ゆりこ。奈良や京都の寺と仏像がちゃんと出てきて、仏像好きには凄い楽しい！化粧品メーカーの「ウテナ」とか仏教繋がりの擽りも面白い。ある日、父の友人に帰国子女の寺出悟という大仏顏の部下がいることが判明。インド生まれで、日本に来た経緯が仏教伝来と同じ！鎌倉にデートはとても上手くいくものの、娘は結婚はできないという。下げは「寺出さんったら何言ってもイエスって言うの」、秀逸！
「聞いてくれ!!」三遊亭天どん
居酒屋まで20kmの道のりを頑張って自転車でやってきたという話を聞いてもらいたいのに、皆んなその話を越えてくる。箱根駅伝に出た話、リアカーを引いて坂道の上り下りをするのを人生に例えたり、挙句には居酒屋の親父がヨーロッパの小国での修行時代にローマの休日のようなロマンスを経験していたり。下げは「警察に捕まったら事情聴取で俺の話を聞いてもらえるからさ」
「紙切り」林家正楽
相合傘、吉良仁吉、金太郎、ハロウィン、双子のパンダ。出来上がった作品を見せる時にプロジェクターを使用されていて分かりやすい！
「紀州」春風亭正朝
昼の部主任を勤めていらっしゃいますが、一朝師匠の代演にて。初めて聞く演目。七代将軍徳川家継が7歳で無くなってしまった後、次の将軍の候補として呼びだれた尾州侯と紀州侯。鍛冶屋の槌を打つ音が「テン、カ、トル、テン、カ、トル」と聞こえますが。。。
「夜の慣用句」柳家喬太郎
今年7月にも拝聴した新作落語。末廣亭の主任も勤めているそうで、ここは軽く流して。。。やたらと座右の銘を聞きたがる、こんな上司いたら嫌ですが、聴いている分には面白い。相変わらず即興の擽りが最高。
「三味線漫談」林家あずみ
とんでもなく滑ったあずみさんを袖で見ていた百栄さんが大爆笑していて怖過ぎたって話に爆笑。今日も自虐ネタが冴えています。小唄は「オッペケペー節」「猫」「とんとんとんがらし」の3曲。個人的にはめくりが「喬太郎」のままだったことが、ずっと面白かった。知らない人は、この人が喬太郎！って思うかもね。癒される時間です。
「お血脈」春風亭百栄
初見。新作落語が得意な方のようですが、今日は古典、といっても随分現代的にアレンジされています。途中で「GORO」「投稿写真」、ポルノ界の聖子ちゃん「寺嶋まゆみ」などのワードが出てくることからキャラクターが想像されます。エロ本の袋とじを勝手に開けて地獄、上野広小路駅の降りる用の階段を上って地獄、携帯で写真撮影させられる演技掛かった石川五右衛門が可愛いです。
「太神楽曲芸」翁家社中
翁家社中（おきなやしゃちゅう）っていう名前なんでなんかの団体かと思っていましたが、3人組の太神楽師。今日は翁家和助さん、翁家小花さん2人の出演でしたが、小花さんのお顔を見てどこかで見たことあるなと思い出しました。包丁を使った曲芸は会場も沸いていました！
「鼠穴」春風亭一之輔
マクラはほぼなしで本編へ。一之輔さんご本人も、暗い話とおっしゃっていましたが、笑いどころはあまりありません。小三治師匠の「鼠穴」をCDで聞いたことがあるのですが、余計なくすぐりは入れずほぼ忠実に。内容を知っているので、ドキドキ感は弱めですが、かなり激しい緊張と緩和のお手本のような落語。弟の兄に対する思いの浮き沈みが非常に激しく、とても演じるのは難しいと想像されます。夢だとわかってからは、夢を聞いた兄の反応に一番大きな笑いが起こっていました。こういうヒリヒリする落語もたまには良いし、客席の集中力を途切れさせずに、この決して面白いとは言えない落語を演じきった一之輔さんも凄い！下げは「夢は五臓の疲れだ」
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