渋谷のパルコ劇場で「笑の大学」を拝見しました。三谷幸喜さんの舞台は初見、映画版を見た記憶はありますが、内容は全く記憶無し。
作・演出:三谷幸喜
配役
向坂睦男:内野聖陽
椿一:瀬戸康史
瀬戸康史さんは初めて認識しましたが、最近見た映画『コンフィデンスマンJP-英雄編-』のマルセル真梨邑役の方なのか。映画と舞台の印象は随分異なりますね。警視庁保安課検閲係、向坂役の内野さんが良い。前回25年前に向坂を演じた西村雅彦さんが見ていないにもかかわらずオーバーラップして笑いが増幅。カラスのムサシから十姉妹の件も楽しく、歌舞伎『月光露針路日本 風雲児たち』でもお馴染み、江戸時代にロシアに漂流した大黒屋光太夫の話が出てくるもグッときた。プカプカ島って何。一番笑ったのは脚本が好きになってきた向坂が、椿と一緒に小芝居を始める場面。不器用な、今まで心の底から笑ったことのない男が楽しんでいるのを見ているのが、とても楽しい。最近たまに耳にする『金色夜叉』、貫一お宮がここでも。いよいよ読まなければ。「お国のために」の芸者のお国、お肉、甘栗、欠伸と変化していくのですが、向坂同様「お肉」が一番面白いと思う。そしてこれがエンディングの振りになっているのが素晴らしい。最後は笑って泣いて。コロナ渦の後だからこそ、さらに考えさせられる素敵な舞台でした。
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