歌舞伎座で「三月大歌舞伎 第三部」を拝見しました。1本目は61年ぶりの上演という『髑髏尼（どくろに）』、前回は中村勘三郎、中村歌右衛門での上演だそうです。
配役
髑髏尼：坂東玉三郎（大和屋）
平重衡の亡霊：片岡愛之助（松嶋屋）
鐘楼守七兵衛：中村福之助（成駒屋）
善信尼：河合雪之丞
町の女小環：中村歌女之丞（成駒屋）
女房長門：坂東新悟（大和屋）
蒲原太郎正重：中村亀鶴（八幡屋）
烏男：市川男女蔵（滝野屋）
阿証坊印西：中村鴈治郎（成駒屋）
あらすじもよく確認せずに拝見したのですが、福之助君大抜擢。河合雪之丞さんの起用の仕方も贅沢です。烏男とか深読みしたけど、本当にただの烏男だった。とても不思議な話で、ぼんやりしながら見ていたら2人が絶命して終わっていた。。。自分の醜い顔を初めて水に映して見た後の鐘楼守の気持ちの変動が理解できず。。。歌舞伎では珍しい暗黒味でしたが、余韻も特に残らず、無常です。
二本目は、定番の夕霧伊左衛門『廓文章（くるわぶんしょう）吉田屋』です。
配役
藤屋伊左衛門：片岡愛之助（松嶋屋）
吉田屋喜左衛門：中村鴈治郎（成駒屋）
太鼓持豊作：中村歌之助（成駒屋）
阿波の大尽：片岡松之助（緑屋）
喜左衛門女房おきさ：上村吉弥（美吉屋）
扇屋夕霧：坂東玉三郎（大和屋）
頻繁に上演されている演目ですが、今までで見た中で一番！とにかく愛之助さんの放蕩で我儘だけど憎めないチャーミングさが際立ちます。仁左衛門さんの伊左衛門も素敵なのだが、若いって良いですね。玉三郎さんの夕霧が登場し、白鷺の打掛を客席に披露する場面では、客席からため息が。最後の紫の鳳凰の打掛でも同様。絵になります。歌之助君は太鼓持ちにしとくには勿体無い男前ですが、2人を気にする細かい演技も良い。久々に東側の席でしたので、玉三郎さんの美顔をたっぷり堪能。先月の『霊験亀山鉾』同様、吉弥さん、鴈治郎さんの上方役者の醸し出すムードも素晴らしく、終始にやにやしながら拝見させていただきました。やっぱり脇役が良いと主役も映えますね。しかしながら伊左衛門が跡を継いでからの藤屋が大丈夫なのかが心配。再来週の第一部『花の御所始末』も楽しみにしております。
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