2ヶ月ぶりの浅草ロック座で「Fairy Tales 1st season」を拝見しました。チラシの「???」がアメリカの3DCGアニメ『RWBY』に登場するモンスター「グリム」っぽいのが嬉しい。
1景「赤ずきん(グリム童話)」永澤ゆきの(白鳥すわん、ダンサー4名)
盆上から、力強い足腰の立ち姿が格好良く、続いて登場のダンサー4名のおおかみ軍団が可愛い。丸メガネでチューリップのアップリケ付きの割烹着姿のおばあちゃん役は白鳥すわんさん。初めて聞いた水曜日のカンパネラの『赤ずきん』も面白い歌詞。今回、最初で最後のシンプルに元気の出る景。
2景「青頭巾(雨月物語)」矢沢ようこ(南まゆ)
雨月物語、青頭巾?物語のチョイスが渋い、単に赤ずきんからの繋がりなのか。内容は読んでるはずなのに忘却、休憩中にキンドルで再読、ストーリーはかなり違う。快庵役の南まゆさんが首を折られる効果音が残酷で悲しい。能天気な『ユー・アー・マイ・サンシャイン』が逆に恐怖を誘う。
3景「ハーメルンの笛吹き男(ドイツ伝説集)」藤川菜緒(南まゆ、小宮山せりな、永澤ゆきの)
三匹の着ぐるみのねずみ軍団がチャーミング過ぎるのに対し、今回の藤川さんの役への入り込み方が凄くて、邪悪さと狂気が素晴らしい。男がねずみを回収あとは風船を持った子供達、閉まるカーテンは岩に閉じ込められる結末。道化は閉じ込められた子供の足掻きなのか、風船と道化から映画『IT/イット』のペニーワイズも連想されます。仲入り映像最初の蜘蛛の映像も関連しているのでしょうか。空間に閉じ込められたパントマイムや吸い込まれそうになる動きなど、ちょっと悲しみも感じさせる、後味が悪くも想像力が膨らむ心に残る景でした。
4景「赤い靴(アンデルセン童話)」白鳥すわん(ダンサー4名)
続いても怖い景ですが『インスティンクト・ラプソディ』が演出にぴったりでぞくぞくします。赤い衣装のダンサー4人の呪いの踊りも格好良い。首にロザリオ、童話では赤い靴を履いて教会へ行く場面があり、結末もとんでもないですが、浅草ロック座バージョンは最後は靴が脱げ救われるのはスト神の慈悲か。流れる汗の美しさ、足から動き出す踊り、恐怖の表情と迫真の演技。
5景「ウォーキング・デッド」篠宮ねね(南まゆ、矢沢ようこ、小宮山せりな、藤川菜緒、永澤ゆきの、白鳥すわん)休演
6景「おおきな木(絵本)」小宮山せりな(藤川菜緒)
藤川さんの顔のメイクがそのままなことから、先ほどの3景と繋がっているのか。そう考えると、さらに話が切なすぎて、おおきな林檎の木が優し過ぎて、シルクの前に既に涙が。エアリアル・シルクは薄いグリーンとグリーンのバイカラー仕様。『愛にできることはまだあるかい』は狡過ぎる。舞い散り、輝く汗も美しく、おおきな木に完全一致の、こみせりさんの圧倒的寛容さと慈愛に満ちた笑みにまた涙が。今回拝見するのは3回目ですが、連続泣き記録更新。
7景「眠り姫(グリム童話)」南まゆ(矢沢ようこ、小宮山せりな、藤川菜緒、ダンサー4名)
眠りから自力で覚める演出、黒い呪いの精からの脱却、カラフルな衣装、笑顔で踊る矢沢さんが素敵。そして、やや乱れ髪ながらもあのパフォーマンスの後すぐに参加するこみせりさんも凄い。情感のある景も良いですが、やはり笑顔が溢れる南まゆさんが見たいかも。しかしながら、クライマックスの朝日を思わせるミラーボールを背景に浮かぶ南まゆさんのシルエット!日々の鍛錬の賜物、荘厳の美しさにグッときました。
フィナーレ「天使(アンデルセン童話)」
フィナーレも珍しくダークでハードな音楽に乗せて。たまにはダークファンタジーな浅草ロック座も良い。「2nd season」も拝見するやもしれません。
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