第32回 靖国神社 夜桜能 狂言『舟渡聟』/能『海人』靖國神社 能楽堂

靖國神社 能楽堂で「第32回 靖国神社 夜桜能」を拝見しました。肌寒いですが、快晴で桜もほぼ満開。

配役

火入式、藤田貴寛さんの笛の音が素晴らしい。静かな夜に笛の音、良き。

舞囃子『安宅』大坪喜美雄
マイクが改良されたのか、詞章が聞き取りやすく驚く。「延年の舞」から最後まで。舞囃子でも弁慶の緊張感を考えると少しだけドキドキいたします。

狂言『舟渡聟(ふなわたしむこ)野村萬斎・野村裕基(和泉流)
先日に続き野村萬斎さんの舟頭役、聟入りのため酒樽と大きな鯛を持って船に乗る聟殿、舟が揺れてあたふたする様子も楽しい。水上(琵琶湖)というアドバンテージのため、脅して酒を飲んでしまう舟頭が舅だったというオチはわかりやすく面白い。粗相をしたのがバレないように姑に自慢の髭を剃られてしまう舅、顔を隠しながら喋る場面はマイクのためか少し雑音が入る。野村萬斎さんの綺麗で大げさ、キレのある動作が面白い。最後は2人で急に「梅の実は落ちたが、鞠は枝に留まった」という内容のめでた気な舞を舞って仲直り。

能『海人(あま)宝生和英(宝生流)
一般的な能と印象が違う演目、特に面向不背の珠を龍宮から取り返す「玉の段」はとてもスペクタクルな当て振り。乳の下を切って珠を隠すなんて壮絶過ぎる。最後の美しい早舞の部分もたっぷり。やはり笛の音が壮絶に冴えている。子方も活躍する盛り沢山な演目。染み入る感じはあまりありませんが、華やかな夜桜能にぴったりの演目。能面を付けていても聞き取りやすいのは良いです。来年も楽しみにしております。

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