
歌舞伎座で「六月大歌舞伎 夜の部」を拝見しました。一本目は歌舞伎十八番の内『暫』です。
配役
鎌倉権五郎:市川團十郎(成田屋)
那須九郎妹照葉:中村雀右衛門(京屋)
鹿島入道震斎:中村鴈治郎(成駒屋)
成田五郎:市川右團次(高嶋屋)
東金太郎:市川男女蔵(滝野屋)
足柄左衛門:中村歌昇(播磨屋)
小金丸行綱:尾上右近(音羽屋)
荏原八郎:中村種之助(播磨屋)
加茂三郎:中村児太郎(成駒屋)
大江正広:大谷廣松(明石屋)
埴生五郎:中村鷹之資(天王寺屋)
加茂義若丸:中村歌之助(播磨屋)
武蔵九郎:市川九團次(高島屋)
家老宝木蔵人:片岡市蔵(松島屋)
局常盤木:市村家橘(橘屋)
茶後見:市川中車(澤瀉屋)
清原武衡:中村芝翫(成駒屋)
桂の前:中村魁春(加賀屋)
加茂次郎:中村梅玉(高砂屋)
後見:市川齊入(高嶋屋)
豪華な配役、柳田國男の「一つ目小僧その他」を読んでいたので親近感が湧く鎌倉権五郎、16歳の時、矢で目を射られ隻眼だったそうですが、『暫』は、単に勇猛な権五郎の名前を借りただけのよう。権五郎が大きくて迫力有り、この役ができそうなのは團十郎さん以外では松也さんくらいか。
そして、八代目尾上菊五郎、尾上菊之助、七代目尾上菊五郎、片岡仁左衛門、中村梅玉、尾上松緑、市川團十郎による『襲名披露 口上』。松緑さんの口上が形式のみの短さというのが気になりましたが、先月同様、團十郎さんの口上が笑いを誘う。
二本目は『連獅子』です。
配役
狂言師右近後に親獅子の精:尾上菊之助改め八代目菊五郎(音羽屋)
狂言師左近後に仔獅子の精:尾上丑之助改め菊之助(音羽屋)
法華の僧蓮念:中村獅童(萬屋)
浄土の僧遍念:片岡愛之助(松嶋屋)
菊之助君は踊りがうまいが、しっかり寄り添う菊五郎さんも素晴らしい。宗論は期待したより面白さはない。毛振りも無闇矢鱈に振り回すだけのものよりも、今回のように、ゆっくりでも揃っている方が見ていて気持ち良い。千穐楽にもう一度拝見するのが楽しみ。
3本目は『芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)』、2022年の「三月大歌舞伎」で見たも関わらず、その時の記憶が全くなく、新鮮な気持ちで拝見。
配役
魚屋政五郎:尾上松緑(音羽屋)
大工勘太郎:坂東亀蔵(音羽屋)
左官梅吉:坂東彦三郎(音羽屋)
錺屋金太:中村松江(加賀屋)
桶屋吉五郎:中村吉之丞(播磨屋)
金貸おかね:市村橘太郎(橘屋)
大家長兵衛:河原崎権十郎(山崎屋)
政五郎女房おたつ:中村萬壽(萬屋)
おじさん達がのろけながら酒を飲んでいる様子はほんわか。橘太郎さんの感情が読み取れない女役も笑える。昼と夜の間にビールを2杯飲んでしまい少しぼんやりでしたが千穐楽の2回目も楽しみです。
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