七月大歌舞伎 第三部『雷神不動北山櫻』歌舞伎座

歌舞伎座で七月大歌舞伎、第三部『雷神不動北山櫻』を拝見しました。何故か第三部のみ16日までの公演です。

配役
鳴神上人/粂寺弾正/早雲王子/安倍清行/不動明王：市川海老蔵（成田屋）
八剣玄蕃：市川右團次（高嶋屋）
秦民部：市川男女蔵（滝野屋）
雲の絶間姫：中村児太郎（成駒屋）
八剣数馬/制多迦童子：市川九團次（高嶋屋）
小野春風/矜羯羅童子：大谷廣松（明石屋）
錦の前：市川男寅（滝野屋）
腰元小磯：中村芝のぶ（成駒屋）
小原万兵衛実は石原瀬平/黒雲坊：片岡市蔵（松島屋）
秦秀太郎：市川門之助（滝野屋）
白雲坊：市川齊入（高嶋屋）
小野春道：大谷友右衛門（明石屋）
腰元巻絹：中村雀右衛門（京屋）
後見：市村家橘（橘屋）

まずは海老蔵さんの口上から、2年ぶりの歌舞伎座とは驚きです。歌舞伎十八番『毛抜』『鳴神』『不動』が織り込まれた成田屋所縁の通し狂言、新橋演舞場で今年拝見した初春海老蔵歌舞伎『毛抜』とほぼ同じ配役です。幕開き、おっ、久々に中村芝のぶさん登場、腰元小磯役、小野春風の恋人でお腹には子供が、春風から重宝、小野小町の書いた「ことわりやの短冊（理や 日の本ならば照りもせめ さりとてはまた天が下とは）」を渡されます。が、あえなく早雲王子に刺殺。短い時間でしたが、今日もお綺麗でした！相変わらずの『毛抜』から休憩を挟んで『鳴神』へ。白雲坊黒雲坊の破戒坊コンビが素敵、「ずんべら坊のテーマ？」も最高、児太郎君より大分小さいサイズ感が可愛い。「見ずもあらず 見もせぬ人の 恋しきは あやなく今日や ながめ暮らさむ」、児太郎君もしっかり色気出してましたね。衿から手を入れ、くくり枕、取手、鳩尾、神闕と降っていき。。。スケベさ、粂寺弾正とあまり変わらないのでは。同一人物？酒を飲まされる段に至っては、掛け軸の不動明王が消え失せ、敗北決定。最初から最後まで音楽が大きすぎて科白や浄瑠璃の語りが聞こえにくい。その後の早雲王子の立ち回りは迫力有り、最後の不動明王の空中浮遊は全く迫力無し。安定の十一代目海老蔵さんの舞台でした。