6月能楽鑑賞教室 狂言『寝音曲』/能『殺生石』国立能楽堂

6月能楽鑑賞教室 狂言『寝音曲』/能『殺生石』国立能楽堂
国立能楽堂で「第38回 能楽鑑賞教室」を拝見しました。今回初めてのGB(Grand Box)席、正面席でないのはとても久しぶりで、新鮮です。まずは宝生流能楽師の和久壮太郎さんの解説「能楽のたのしみ」から。初歩的な説明でしたが、橋掛りが揚幕から舞台へほんの少し上がるように傾斜しているのは初めて知りました。鑑賞教室のパンフレットは演目の朔野安子さんのダイジェスト漫画付き!

6月能楽鑑賞教室 狂言『寝音曲』/能『殺生石』国立能楽堂

狂言『寝音曲(ねおんぎょく)深田博治(和泉流)
とても笑いの多い演目。完全に現在のコントの原型です。譜が巧いことを主人に知られた太郎冠者、謡わされるのが嫌でなんのかんのと逃げる太郎冠者と何とか謡わせようと頑張る主人のやりとりが爆笑。膝枕してもらわないと巧く謡えないという太郎冠者、「大原木」​の謡はうまく逃れたものの、「海人 玉の段」は調子に乗って、謡に小舞まで披露していまい、案の定の結末に。先週拝見した『箕被』もそうでしたが、こちらも現代でもありそうな状況で非常に楽しめました。

能『殺生石(せっしょうせき)小倉健太郎(宝生流)
舞台奥、囃方の前に一畳台と大きな石の作り物。真横から見ていたせいか、いまいち乗れませんでしたが、わかりやすい演目です。地謡の声があまり聞こえない、女から野干の精霊への着替えがちらちら見える、良いか悪いか囃方があまり見えないのでバッグミュージックして意識されるなどGB席ならではでしょうか。価格がお得な理由がわかりました。スペクタクル系の曲ですので、心の奥からじわっとする感覚はありませんでしたが、鑑賞教室としてはとても良い選択。野干の精霊の面もあまり見えなかったので、次回は正面席で拝見してみたいですね。

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