猿若祭二月大歌舞伎 夜の部『一谷嫩軍記』『雨乞狐』『梅ごよみ』歌舞伎座

歌舞伎座で「猿若祭二月大歌舞伎 夜の部」を拝見しました。昼の部より断然面白かった夜の部でした。

一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)陣門・組打
熊谷次郎直実:中村勘九郎(中村屋)
熊谷小次郎直家/無官太夫敦盛:中村勘太郎(中村屋)
遠見の熊谷:中村種太郎(播磨屋)
遠見の敦盛:中村秀乃介(播磨屋)
平山武者所季重:中村吉之丞(播磨屋)
玉織姫:坂東新悟(大和屋)

歌舞伎で見るのは初めてですが『熊谷陣屋』より好きな部分、遠見の2人の可愛さ微笑ましさから一転、義経の命で自分の息子を身代わりに殺さなければいけない苦悩、小次郎役の勘太郎さんが颯爽としている分だけ悲しみは深い、その後の玉織姫の死と涙を浮かべずにはいられない内容。文楽では号泣しましたが、今回は目に溜まるに留まりました。

雨乞狐(あまごいぎつね)
座頭、小野道風、野狐:中村勘九郎(中村屋)
野狐、雨乞巫女、狐の嫁:中村七之助(中村屋)

十八世中村勘三郎が1982年に初演した中村屋ゆかりの演目、七之助さんの野狐から雨乞巫女のアクロバティックな舞が楽しい。しっとりとした勘九郎さんの踊りから、狐の嫁入り、最後の野狐の飛び出しの高さが半端なかった。勘九郎狐の満面の笑顔は、皆んなが笑顔になる笑顔。全ての踊りに知的なユーモアとサービス精神が溢れており素晴らしい。鶴松さんの『雨乞狐』も早く見てみたい。

梅ごよみ(うめごよみ)
芸者仇吉:中村七之助(中村屋)
芸者米八:中村時蔵(萬屋)
丹次郎:中村隼人(萬屋)
千葉半次郎:中村橋之助(成駒屋)
許嫁お蝶:中村莟玉(高砂屋)
太鼓持由次郎:片岡松之助(緑屋)
番頭松兵衛:嵐橘三郎(伊丹屋)
芸者政次:上村吉弥(美吉屋)
古鳥左文太:中村亀鶴(八幡屋)
本田次郎近常:中村松江(加賀屋)
千葉藤兵衛:中村又五郎(播磨屋)

演出、舞台転換、配役がとても良かった「梅ごよみ」、転換が本当に鮮やかな「向島三囲堤上の場」、米八、芸者梅次役の芝のぶさん、そして仇吉の登場の仕方が素敵、莟玉さんのニカッと大きな口を開ける笑顔が素人くさくて可愛らしい。男前の丹次郎を巡る芸者二人の喧嘩がとてもチャーミングで面白く笑いを誘う。2人も抜群に上手。残月の茶入れを手に入れる場面では、かなり不穏な空気も流れますが、最後は愛でたく仲直り。結局、お蝶が丹次郎の横におさまるのも当然です。   

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