新作歌舞伎『流白浪燦星（ルパン三世）』新橋演舞場

新橋演舞場で新作歌舞伎『流白浪燦星（ルパン三世）』を拝見しました。

配役
ルパン三世：片岡愛之助（松嶋屋）
石川五ェ門：尾上松也（音羽屋）
次元大介：市川笑三郎（澤瀉屋）
峰不二子：市川笑也（澤瀉屋）
銭形警部：市川中車（澤瀉屋）
傾城糸星/伊都之大王：尾上右近（音羽屋）
長須登美衛門：中村鷹之資（天王寺屋）
牢名主九十三郎：市川寿猿（澤瀉屋）
唐句麗屋銀座衛門：市川猿弥（澤瀉屋）
真柴久吉：坂東彌十郎（大和屋）

木扉を破って登場するルパンと次元、ルパンもいいけど、次元の完成度がなかなか、笑三郎さん凄い。「楼門五三桐」風の舞台装置で五ェ門登場。柱に書かれた辞世の句の横にルパンマークが書かれているのが可愛い。さらに不二子、銭形も登場し、舞台が転換し、ルパンのテーマが流れるるのですが、ここが一番感極まった。台詞の中に歌舞伎の名作の名台詞や名シーンも沢山散りばめられている。八坂神社下のめぞんかかお、配膳ロボットなど現代へのいじりも散見。悪役の唐句麗屋の不二子の胸を触る場面とかもルパンらしくて良いです。秀吉の屋敷、五右衛門はあんなに簡単に捕まるもの？2回ある銭形からルパン、伊都之大王から糸星への早替わりはもう少し綺麗にできないものか。ロープで上に逃げていくルパンは格好良い。二幕目最初の、片岡千壽さんの萬望軒（まもうけん）はルパン三世の劇場映画第2作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の敵役。私は唖然としてしまいましたが、客席の皆は理解していたのか。遊郭の場面、「籠釣瓶花街酔醒」の八ツ橋ばりの不二子の笑みがたまりません。本水を使ったルパンvs. 五右衛門の後、ここで意外にも登美衛門死亡。いかづち山、カラクリ城、カラクリ四天王のネーミングはルパンにしては子供っぽい気も。名前そのまま銀頭が楽しい銀座衛門は糸星、雄龍丸、雌龍丸が融合した斬鉄剣であっけなく死亡。色々ありましたがめでたしめでたしでした。次は草薙の剣の狙って玄界灘？白浪五人男はやっぱり盛り上がる。というかアニメのルパン三世の『花吹雪 謎の五人衆』の中で本当にこういうシーンがあったのね。なんだかんだで楽しいルパン歌舞伎でした。