池袋演芸場で「令和6年11月中席 落語協会百年興業 昼の部」を拝見しました。開演時には満席、演者の皆様も仰っていましたが、こんな池袋演芸場は始めて。今日は昼夜共にトリは喬太郎師匠、やはり喬太郎師匠は池袋に強い。
前座「子ほめ」春風亭らいち
会場のざわつきのためか、互いに集中力を欠いたよう。
「狸の鯉」三遊亭萬都
今年5月に二つ目昇進、名前の由来は四万十市のご出身だからだそう。
「つぼ算」桃月庵こはく
「紙入れ」林家希林
警察署での仕事のマクラが楽しい。滑舌が悪いのは一門の芸風?下げは少し変えて「お前、その家に忘れ物してねぇんじゃねぇか」
「奇術」小梅
4ヶ月ぶり、ずいぶん小慣れた感じになりました。
「親子酒」入船亭扇蔵
「松山鏡」柳家さん生
「三年目」橘家仲蔵
「ちしゃ医者」古今亭菊龍
桂枝雀師匠のCDでよく聴いている上方落語。肥桶との相席は状況が楽しい。渋い古典落語が続く前半は眠さとの闘いです。
「夫婦音曲漫才」ジキジキ
「持参金」五街道雲助
2年ぶりの雲助師匠の「持参金」、今回、より面白く感じました。
「初天神」春風亭一之輔
私が席亭なら昼夜入れ替えますけどねぇ、という言葉に大きく同意。しかし今日だけ特別なのかも。八五郎が団子の蜜を舐め尽くす最後に、一番上の団子も食べるパターンは初めて見た。
「しびん」桃月庵白酒
初めて聞く落語、白酒師匠は珍しい落語を面白く演じてくれるので大好き。尿瓶を高名な焼き物を間違えるのは、落語の世界では全く違和感なく状況に爆笑。
「紙切り」林家八楽
佐渡おけさ、ミシンを踏むおばあさん、ポッキーの日、緑黄色社会。全く知らない緑黄色社会を切る勇気。
「心眼」柳家喬太郎
退院して1週間ほどですが、お元気そうで何より。盲の梅喜と化け十のお竹の話。非現実な落語の世界を描く喬太郎師匠の素晴らしさ。弟に罵られ嘆く場面はこちらも悲しくなります。梅喜が信心する茅場町の薬師様は現在の茅場町駅前の智泉院。前半の卑屈過ぎる梅喜と目が開いてからの梅喜のイメージはやや隔たりを感じるが、それは夢。本当に梅喜が男前でお竹が醜女なのかも分からない。日頃感じる現実と理想のとんでもない乖離、他人が見ているものと自分が見てみるもは違うという現実など、色々考えさせられる落語です。下げは「寝ている時だけは、よく見えらぁ」
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