歌舞伎座で「六月大歌舞伎 昼の部」を拝見しました。1本目は『元禄花見踊（げんろくはなみおどり）』から。
配役
出雲の阿国：尾上右近（音羽屋）
名古屋山三：中村隼人（萬屋）
元禄の女：大谷廣松（明石屋）
同：中村莟玉（高砂屋）
同：中村玉太郎（加賀屋）
元禄の男：市川男寅（滝野屋）
同：中村歌之助（成駒屋）
同：中村左近（音羽屋）
山三以外が板付きの華やかな幕開き。右近さんも綺麗ですが、小柄できりりとした左近君に惹かれる。全員で揃って扇を開く音の気持ちよさ。
2本目は「菅原伝授手習鑑 車引」。
配役
梅王丸：中村丑之助改め菊之助（音羽屋）
松王丸：中村鷹之資（天王寺屋）
桜丸：中村吉太朗（美吉屋）
杉王丸：中村種太郎（播磨屋）
藤原時平：中村又五郎（播磨屋）
「俳優際」で拝見した鷹之資さんの梅王も良かったですが、聳り立つ親指、松王丸も素晴らしい。吉太朗君の桜丸も強くて清涼感たっぷり、今後の身の上を思うと悲しい。菊之助君は初見の人には理解できないレベルで声が出なくて辛そう。その分、杉王丸の種太郎君や他の役者が奮起してるのかも。幕切れの梅王丸のあり得ない姿勢がとても格好良い。
続いては同じく「菅原伝授手習鑑 寺子屋」です。
配役
松王丸：片岡菊之助改め八代目菊五郎（音羽屋）
武部源蔵：片岡愛之助（松嶋屋）
千代：中村時蔵（萬屋）
春藤玄蕃：中村萬太郎（萬屋）
涎くり与太郎：澤村精四郎（紀伊国屋）
百姓吾作：片岡亀蔵（松嶋屋）
戸浪：中村雀右衛門（京屋）
園生の前：中村魁春（加賀屋）
2024年の「三月大歌舞伎」の時とほぼ同じ顔ぶれ、前半寝てしまったものの、前回より圧倒的に素晴らしい出来。今日がたまたま誕生日だった精四郎さんの涎くりと祖父の亀蔵さんも弾けていて楽しい。菊五郎さんはもちろん、時蔵さんがうま過ぎて驚く。2人を引き立てる控えめな演技の雀右衛門さんも素敵。菊五郎さんと時蔵さん、名前が変わると演技も変わるのかもしれません。今まで見た『寺子屋』の中で一番すすり泣きに溢れた客席でした。
最初と最後は賑やかに、4本目はお馴染み『お祭り』です。
配役
鳶頭：片岡仁左衛門（松嶋屋）
芸者：片岡孝太郎（松嶋屋）
鳶の者：坂東彦三郎（音羽屋）
同：坂東亀蔵（音羽屋）
同：中村隼人（萬屋）
同：中村歌之助（成駒屋）
手古舞：中村壱太郎（成駒屋）
同：中村種之助（播磨屋）
同：中村米吉（播磨屋）
同：中村児太郎（成駒屋）
仁左衛門さんの言動に逐一ニヤニヤできる演目。最初の若い衆との軽い立ち回りで骨抜き。この若々しい表情と動きは驚愕せざるを得ません。襲名披露だけあり全演目とても贅沢な配役で楽しい「昼の部」でした。
コメント