広尾の会員制レストラン「トレイス」に4ヶ月ぶりにお伺いしました。
「トウモロコシのスープ」
美味しそうに焼いたトウモロコシを芯も一緒にミキサーに掛けたスープ。芯の香りやアクが奥行きを出しており、トウモロコシを丸ごと飲んでいる感じ。
「フォアグラの塩マリネ」
「キノコのフラン」
シメジ、舞茸、エリンギを卵白のみで固めたフラン。舞茸には卵が固まるのを阻害する酵素が入っていて、通常は使用しないのですが、敢えて入れる事で舌に乗せたときに融解しやすくし、キノコの旨味が広がります。
今日のお目当て、身が厚すぎて鰻と思いませんでした。
サイズは1.3キロ、この大きさの鰻を食べるのは初めてで楽しみっ!
「青森県小川原湖天然鰻の炭火焼」
固定概念を覆す短時間での炭火焼き。見た目もよくある鰻っぽくありませんが、食べても鰻っぽくない、いや鰻ではあるのですが、今まで食べてきたものとは次元が違う。嫌な臭いは無し、脂も思ったより感じませんが、この身の力強い食感は何ぞや!河島シェフは天然物の個性を、それがマイナスポイントであっても、それを生かす調理をされているのですが、それが如実に現れています。素材自身の味が濃すぎて沢山は食べられない気がしますが旨い、記憶に残る鰻でした。素晴らしい。
続いても初めていただく料理。
300度のオーブンでこんがり焼いた蕪。
「焼蕪」
ソースはカブの茎、アンチョビ、ガーリックを合わせたもの。上にオリーブオイル。昔ボニュでいただいたトマトパスタを思い出します。シェフ曰く、「みずみずしい夏野菜はそのまま食べても美味しいが、勿体ないと思っていた」とのこと。そんなこと考えた事も無かったな〜。豊満な甘みが凄い。旨い。
「ブレス産鳩の唐揚げ」
定番メニューですが、大好物。KFPと書いた箱から取り出すという新演出付き。血の味が濃くて旨い。
続いてもお馴染み、肉のハナマサ南麻布店で購入したレタス。
「レタスのサラダ」
葉の間にゼラチンで固めたドレッシング。レタスの一番の魅力は食感ではないかということから考案された料理。世界一旨いレタスサラダかも。
四万十川の天然鮎。
鮎を焼いている、素敵な香りがした後「ガーーー」という無情な音が鳴り響きます。
「鮎のビスク」
鮎の香りを生かした料理、炭で焼くと炭の臭いが付いてしまうため、あえてフライパンで調理。
「お米のリゾット」
お馴染みの料理が続きます。こちらもポイントは「香り」、食べていて煎餅っぽ印象も受けました。
「鰯のカッペリーニ」
何回食べても旨い、もちろんお代わりもいただきます。
「見蘭牛イチボ」
今日も美味しそうに焼けたなぁ、と関心していたら切らずに皿に。冗談かと思ったら本気でした。300gくらいあるでしょうか、なんて贅沢な!
肉汁をギュッと閉じ込めた見事な火入れ。
日本の在来種の血統を受け継ぐ見島牛とオランダ原産ホルスタインを交配させたのが見蘭牛、牛肉はそこまで好きではありませんが、とても旨みの詰まったとても美味しいお肉、焼き方もあるのでしょうが、これだけ食べても重さはほとんど感じません。
「プリン」
卵黄だけのプリン。
「牛乳アイス」
味変でポーリのグラッパ、クレオパトラを掛けて。
「チョコレートムース」
蕪と鰻以外はいただいたことのある料理でしたが、満足感あります。そして既成概念をぶち壊す料理はやはり素晴らしい。ソムリエの小橋さんと河島シェフの、口が悪い中にも信頼関係が感じられる、ぎくしゃくしたやり取りも磨きがかかっています。この店にあと必要なのはツッコミ担当か。また11月にはパロンブ(森バト)をいただきにお伺いしたい。ごちそうさまでした。
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