落語「柳亭小痴楽 真打昇進披露公演」国立演芸場

柳亭小痴楽 真打昇進披露公演
初めて知った落語家でしたが柳亭小痴楽さんの真打昇進披露公演、しかも東京の演芸場で40日ほど行った後の千秋楽でした。

前座:柳亭楽ぼう「金の大黒」
お馴染み貧乏長屋の落語。初めて聞きました。くすぐりが非常に多く、名人がやると大いに笑えそうなお話。

柳亭信楽「俺の夢」
この方オリジナルの新作でしょうか。慶應義塾大学出身でインテリの空気出てます。「幕府」というワードで笑わせるのは、若手芸人のコントの設定で笑わせるという今様の傾向と同じか。かなり笑いはとってましたね。下げは「幕府はあきらめて朝廷を開こう」。

桂宮治「ナースコール」
こちらも新作。声も大きくて、底抜けに明るいキャラが良いですね。笑いがとても多いお話。ナースコールを飲み会のコールと間違えちゃうナースのミドリちゃんが主役なのですが、ナイチンゲール賞の件は面白かった。記念バッジをもらったのだが、メンソレータムの蓋に安全ピンを付けたもの。蓋な無いから開いた口が塞がらないという流れが素敵。面白かったです。下げは「天使やから、わしを天国へ連れて行こうとしやがった」。中入りの時、ロビーでも大きな声を出して小痴楽師匠の本を販売してました。良い人、滲み出てます。

発泡スチロール芸:できたくん
紙切りならぬ発泡スチロール切り。馬、チコちゃん、桜の会、柳亭小痴楽を器用に作成。和みました。

桂竹丸「松山鏡」
小話(ダジャレ?)連発で最後の素早く「松山鏡」。下げは「反省して髪の毛剃って尼になった」。髪型を気にする弟子に対して「髪型(上方)は気にすんな!」ってのが壺。

桂米助「野球寝床」
古典落語「寝床」のアレンジ。野球のロッテのオーナーが野球観戦を企画するのですが、なんやかんや理由を付けて全員来ないという話。理由の付け方が滅茶苦茶なとこが笑いになるはずなのだが、あんまり笑えなかったです。。。

「柳亭小痴楽 真打昇進披露口上」
司会は夢花、竹丸、楽輔、米助さんによる口上。最後に桂宮治さんが乱入(闖入?)。三本締めの掛け声まで任されてしまうのは愛されるキャラクターによるものでしょう。口上に二つ目の落語家が上がったのは初めてのことだそう(もちろん三本締めも)。

三笑亭夢花「祇園会(ぎおんえ)」
落語会の市川海老蔵。京都に遊びに来た江戸っ子と宿屋の京都を自慢しまくる女将の話。京都は「王城の地」、江戸は「ムサイ国のヘド(武蔵国の江戸)」などなどこき下ろす。京都を自慢した後のカラスの鳴き声のような狂笑で笑わせる(その際後ろに倒れる)。8回ほどやってくれたでしょうか。大変そう。京言葉と江戸言葉の対比がお見事でした。

柳亭楽輔「痴楽伝説」
痴楽師匠を知らなかったので、あまり理解できませんでしたが、「綴り方教室」は面白い。例えば「恋の山手線」は「上野を後に池袋 走る電車は内回り 私は近頃外回り 彼女は綺麗な鶯芸者 にっぽり笑ったそのえくぼ 田端を売っても命がけ・・・」と続いていきます。高輪ゲートウェイとか、今は難しいでしょうね。

歌謡漫談 東京ボーイズ
「天気が良ければ晴れだろう。天気が悪けりゃ雨だろう。雨が降ろうと 風が吹こうと 東京ボーイズ さ〜よ〜なら〜」でお馴染みの東京ボーイズ。三味線の菅六郎さんに歌わせといて、最後のいいとこはウクレレの仲八郎さんが持っていくという件は何度見ても笑えます。

柳亭小痴楽「大工調べ」
しょうゆ顔の男前、なんとまだ30歳だそうです。ケチな大家と大工の棟梁&のんびり屋の与太郎の道具箱を巡る闘い。棟梁の長啖呵には拍手が起こってました。抑揚が無いためか途中寝かけてしまいましたが、最後には復活。下げは「嘘でもいいから八百並べろ」。若いので、まだまだこれから、今後に期待です!

若手がいまいちなのは全然かまわないのですが、ベテラン勢もいまひとつグッと来なかったのは残念。やっぱり古典落語のが好みです。来年の「新春国立名人会」は誰が出演するか楽しみです。1月は色々予定を組まなければいけないので早く発表して欲しい!

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