「日本講談協会定期公演 講談新宿亭 主任:神田愛山」新宿永谷ホール(新宿Fu-)

「講談新宿亭」新宿永谷ホール(新宿Fu-)
新宿永谷ホール(新宿Fu-)で「講談新宿亭」を拝見しました。初めて訪れる新宿歌舞伎町にある劇場、整理券配布は11時から20分ほど前に到着して総席数70席の半ばくらいの順番、チケット買えて良かった。

前座:「三方ヶ原軍記 五色備え」神田梅之丞
講談らしい講談、一度も噛まなかったことが凄い。
前座:「寛永御前試合 仙台の鬼夫婦」神田紅希
ほんわかした読み口、伊達政宗の家臣、頼りない剣術指南役、井伊直人と妻お貞の話。獅子の洞入り、洞返し、お見事。
「五郎正宗孝子伝」神田紅純
蘭さんが膝痛のため20分予定のところ30分でたっぷり。名刀工、五郎入道正宗の子供時代のお話。折檻し続けた挙句、最後は毒殺未遂の継母のおあきに対して五郎が健気過ぎる。高宮稲荷大明神はどこにあるのでしょうか。

「西行鼓ヶ滝」神田蘭
落語でも定番のお話、膝が痛いので今度から立って読むかも、だそうです。最初ちょっと偉そうな西行がだんだん凹まさせる演出、爺婆孫3人の演じ分けも素晴らしく、お顔は疲れが出ているような気がしましたが、相変わらず笑わせてくれました。

「白子屋政談」神田紅
歌舞伎では『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』、山中貞雄監督の映画『人情紙風船』でもお馴染みの話。ヤクザを三尺者と言うのは、騒動があった時、すぐに締められる三尺帯を使っていたからだとか。拷問の「石抱き」はそうやってやるのか、想像しただけで脛が痛む。新三が弥太五郎源七に殺された後は「大岡政談」に、大岡越前守忠相が直接裁いた唯一の事件だそう。知っている話も面白い!

「源平盛衰記 那須与一扇の的」神田松鯉
超有名な話ですが、知らない事も多いですね。平家方の扇を立てた船に乗っていた美女は玉虫御前と伊賀十郎兵衛家員(いがじゅうろうべえいえかず)、スケベな義経が玉虫に興味を示さなかったのは近眼だからとか。義経の扇を射れという命令に、なんのかんのと言い訳する武将たちが可愛い。「時ならぬ 花や紅葉を みつるかな 芳野初瀬の 麓ならねど」、この騒動が起こったのは837年前の今日(2月18日)なのだとか。素晴らしい。

「天保水滸伝 鹿島の棒祭り-平手の最期」神田伯山
昨日国立劇場に文楽を見に行かれたそう。文楽好きとしては嬉しいです。人間国宝の太夫が出ていたとおっしゃっていたので第二部でしょうか。文楽の人間国宝は全力で、講談の人間国宝は力が抜けた感じで、色んなやり方があるんですね。講談は北辰一刀流、千葉周作の弟子平手造酒重広(ひらてみきしげひろ)の話。打ち首になった罪人の右腕を切り落とし、吉原の妓夫(牛太郎)に悪戯しちゃうお茶目な酒好き。団子売りの婆と白犬の件も面白い。用心棒の1人、山口幸三郎の件をミスったのは珍しいな。流石にごまかしきれなかったのか。迫力のある読みはやはり惹きつけられます。愛山師匠から習ったそうですが、後で曰く「俺はこんな教え方してない」に爆笑。

「仕立屋銀次隠し台帳 目細の安吉恋の中抜き」神田愛山
伯山さんの張り扇と扇子の使い方についてのダメ出しから始まって笑えます。結城昌治原作の小説から45分ほどたっぷりと。スリの手口や確定申告の簡単なやり方など勉強になります。この方の雰囲気、やっぱり好きだな。格好良い。

久しぶりの講談会、パイプ椅子がきついですが、会場の狭さも丁度良く、楽しませていただきました。

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