居酒屋 ジビエ「獣肉と酒 ぼんくら」人形町

ここ最近お伺いするようになった人形町の居酒屋「獣肉と酒 ぼんくら」、熊、鹿、羊、猪、馬、兎、鴨、鶉、トド、鯨肉などを1年中いただける獣肉好きには嬉しいお店です。魚料理は潔く、一切ございません!

お通し2品「羊とアゴ出汁のスープ」「鹿そぼろとタラの芽和え」をいただいた後、料理スタート。コースもありますが、アラカルトで利用される方がほとんどではないでしょうか。

「BONZファームの野菜盛り」
BONZファームの野菜盛り
埼玉県羽生市にあるボンズファームの野菜たち。自家製納豆、セルバチコのお浸し、行者ニンニク、ラディッシュの甘酢漬け、黒ニンニクのポテサラ、人参のクミン麹和えなど。小品ですが、どれもオリジナリティがあり店主の加藤さんのセンスを感じられます。色んな豆を使った納豆は最高ですね。この後は本格的に獣肉を堪能。

「蝦夷鹿と蕗の薹の春巻き」
蝦夷鹿と蕗の薹の春巻き
「ぼんくら」春の名物。力強い食材同士の素敵な共演。やはり油を使うと蕗の薹の苦味は心地良いものに感じられます。

「ヌートリアの炭火焼き100g」
ヌートリアの炭火焼き100g
今日のお目当てがこちらの「ヌートリア」。カピバラの半分くらいの50cm程度の大きさの南アメリカ原産のネズミ。温厚なカピバラと比べ、大変獰猛だそうです。日本では戦時中に毛皮採取用として持ち込まれたものが野生化して繁殖、現在はアライグマと同様に侵略的外来種として問題となっています。

そんなイメージのよろしくないヌートリアですが、味は旨いです。鶏肉や兎のような淡白なお味で癖は全くありません。家畜でなくて、ここまでお肉が柔らかいのには驚きました!今回いただいたのは山口県産でしたが、県によっては条例で県外出荷ができないそうです。害獣ではありますが、こんなに美味しいのであれば、食用でもっと有効活用されて欲しいものです。

「猪の焼餃子」
猪の焼餃子
もっちりした皮の中は肉々しい猪ひき肉。パリパリの羽根もスナック感覚。日本酒がけっこう充実しており大好きな神亀、日置桜始め、悦凱陣、長珍のラインナップが充実。肉に負けない旨みのある燗酒たちです。

「羆のハンバーグ100g」
羆のハンバーグ100g
肉塊という印象の力強い(優しくない)ハンバーグ。牛肉ではここまでの仕上げは不可能でしょう。ヒグマの力を体に取り込みます。絶品。

「土筆の炭火焼き」
白神山地の土筆の炭火焼き
秋田県から届きたてのツクシを炭火焼きでいただきました。子供時代はお婆ちゃんがツクシの佃煮をよく作ってくれたのを思い出します。ものすごく久しぶりにいただくツクシはノスタルジックな美味しさ。袴(地元では萼と読んでいた気がするが)はあえて取らずに食感を残しているそうです。

「空豆焼き パルミジャーノ和え」
空豆焼き パルミジャーノ和え
箸休めに。

「猪のしゃぶしゃぶ、花わさび」
猪のしゃぶしゃぶ、花わさび
〆の前にもう1品、お任せで作っていただいたのがこちら。花わさびの辛味が肉と調和しており、思ったよりずっとすっきりとした食べ心地。

「獣のミニカレー」
獣のミニカレー
塊肉がゴロゴロ入って最後まで食べ応え十分。カレー最高!コロナウイルス対策ランチ用にハクビシンカレーなども構想中とのことで、そちらも楽しみです。

獣肉のイメージに加え、見た目も豪快な料理が多いですが、火入れや味付けはけっこう繊細。料理も基本ブラウンベースで一般的な感覚からすると綺麗ではありませんが、旨いです。そして旨い料理は、必ず美しい。きちんと処理し、調理されれば嫌な臭いなどは絶対にしないのが獣肉。牛や豚が好きで獣肉が駄目とか意味不明。「ぼんくら」はご夫婦で切り盛りされているのですが、ケンドーコバヤシさん似の寡黙(そう)な男気溢れるご主人とチャーミングで愛嬌たっぷりの奥様のコンビも最高、そして店名とは裏腹に聡明で視野の広い居酒屋との印象です。沢山食べて飲んで、気持ちも晴れ晴れ、免疫力大幅アップな1日でした。ごちそうさまでした。

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