元ボニュの河島英明シェフが広尾に4月1日オープンしたレストラン「τρεῖς トレイス」にお伺いしました。ギリシャ語表記なので判読不可な店名ですが、「3」を意味するギリシャ語です。料理以外のことで話題になっており爆笑ですが、店内に桜の木はございません!
「新玉ねぎのスープ」
挨拶代わりの一品。先ほどまで目の前にあった玉ねぎがあっという間にこの形に。使用しているのは水、塩のみのピュアな玉ねぎ水。玉ねぎってこんなに綺麗な白色なんですね。
「フォアグラのマリネ」
フランスからなるべく新鮮な状態で送られたフォアグラを塩だけでマリネ。あまり得意な素材ではありませんが、濃厚で美味。
続きましては、高級感漂う黒い粒つぶを網で漉して。。。
「キャビアのカッペリーニ」
以前もいただいたことのある料理ですが、自家製キャビアを使いアップグレード。上にもたっぷりのキャビアとレモンゼリー。保存目的でないので、塩分量が抑えられており、これだけ乗って丁度良い塩味。キャビアは沢山使わないと意味が無い。旨いです。ランチメニューのチョウザメ唐揚げサンドってのもの食べてみたい!
「ブレス産鳩の唐揚げ」
こちらも絶品。通常の唐揚げと違い、中は赤身を残して、フレッシュな肉の旨味を閉じ込めています。10個は余裕で食べられそう。
「レタスサラダ」
こちらもお馴染み。近所のスーパーで厳選されたレタスの芯をくりぬき、ゼラチンを使ったドレッシングを流し込んだもの。半日程度経っていますが、素敵なシャキシャキ感。面白い料理です。
「ホワイトアスパラのフリット」
以前いただいて感動した料理が登場!水分が魅力のアスパラの水分を全部飛ばしちゃうという逆の発想。アスパラの美味しい甘味が凝縮、それを引き立てる苦味もしっかりと感じられます。美味。
ホイルの上の空豆にチーズを削る河島シェフ。どう見ても空豆。
皿の上に乗ってみても相変わらずの空豆振りですが、蓋を開くと!
「空豆のニョッキ」
もちもちの空豆です。空豆感が凄い。
「オマール海老のビスク」
続いてもボニュのシグネチャーメニューの1つ。先ほどまでピチピチしていたオマールブルーが数分でこの状態に。ボニュでいただいた時より殻の食感を感じるでしょうか。分量も多くて嬉しい。
「蕗の薹のリゾット」
普通は米よりも素材の味が勝ってしまうものですが、河島シェフが愛して止まない米が主役のリゾット。強い食感を残した米の存在感、それに寄り添う蕗の薹の柔らかい苦味が素晴らしい。今日一番印象的な料理でした。
続いての食材は光沢が綺麗でドットが可愛い鰯。
ミキサーであっとう間に原型消失した後、濾過。
「鰯のカッペリーニ」
鰯の旨味を抽出した透明感のあるスープにカッペリーニ。小さい鰯たちが口の中を泳ぎ回っている鰯感。ミキサーの魔術師。
「見覧牛のサーロイン」
外は真っ黒ですが、中央から真二つにナイフを入れると、湯気がふわっと立ち上りました。断面は綺麗なピンク色。
普段はあまりいただかないサーロインですが、不思議と脂はそれほど感じません。水分は飛ばして、旨味をたっぷり取り込んだ牛肉、歯応えはしっかりと残し、噛めば噛むほどという奴です。旨過ぎ。ちなみに見覧牛は、超希少な日本在来牛「見島牛」の雄とホルスタインの雌の一代交配種。K氏の許可が降りれば、本当は見島牛が使いたいそうです。楽しみ。
「?ゼリー」
謎のゼリー、同素材を煮詰めたシロップを掛けていただく不思議な口直し。
「ルバーブのコンポート」
美味しい果物はどう加工しても本来の味を越えられないから、使わないそう。ただ煮込んだだけのルバーブ。普通じゃない旨味を感じるから不思議。
「牛乳マシュマロアイス」
今日思いついたというデザートもサービスで。童心さを忘れないシェフが素敵。
「チョコレートムース」
ボニュの水チョコも美味しかったけど、これも凄い。水出ししたカカオティーを混入しており滑らか、とも違う不思議な感触。カカオが口いっぱいに溢れます。おまけで超人気レストランHMのチーズケーキもご相伴にあずからせていただきラッキー。最後は秩父のメープルウォーターで入れた、とても美味しい紅茶をいただきました。
相変わらずあんまり写真映えはしませんが、素材感溢れる風変わりな料理の数々、小品も含め15皿、沢山食べましたが、後味の良さも本当に素晴らしい。今回はオープン直後ということもあり以前いただいたことのある料理も多かったですが、これからの深化も非常に楽しみ、唯一無二な料理を期待しております。また季節を変えてお伺いいたします。ごちそうさまでした。
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