久我山から2020年3月銀座に移転した日本料理店「銀座 器楽亭」にお伺いしました。閉店した「鮨 さゝ木」跡、カウンターだけはそのままで、他の設えは新しくされていました。ほどよく年季の入った鮨屋のカウンターは大変な重みがあります。佐々木親方のマシンガントークが懐かしいです。そんなノスタルジックな気持ちで料理開始。
「桜の葉の香る茶碗蒸し」
香りは控えめでしたが、体の中から温まります。
「八寸」
あん肝、松阪牛のローストビーフ卵黄巻き、コンビーフと蕗の薹、能登の糸もずく、蟹味噌、塩辛、ホタルイカの沖漬け、筋子の粕漬け。完全に酒のアテ。どれも高クオリティで酒飲み喜びます。あん肝はイチローズモルト、レミーマルタンを使い仕上げて深みのある仕上がり。筋子が最高!家で好きな日本酒とちびちびいただきたい料理です。
「ねぎま」
脂ノリノリの砂ずり部分と、コリっとした横隔膜はその周りの部分?、ワサビがもっと沢山欲しいくらいでしたが、ネギと脂は相性抜群。
「春野菜のお浸しサラダ」
たらの芽、こごみ、空豆、スナップエンドウにフレッシュなわさび菜、立派なホタルイカ。かき混ぜてガサッといただきます。単に爽やかなだけじゃない、春の素材ならではの収斂味とのバランスが良いですね。お酒が進むサラダって珍しい!
「毛蟹真薯」
お出汁だけいただいてみると塩味が強いのが気になりましたが、真薯を崩していただくと丁度良い塩梅に。
「アオリイカ、桜鱒、真鯛」
刺身も美味しい。ねっちり舌に絡みつくアオリイカ、やっぱり好きだわ。佐島の鯛も甘み満点。この後は手渡しでネギトロ巻き、海苔も美味しく、蕗の薹がアクセントになっていました。
「鰻の炭火焼き」
鹿児島の有名な養殖鰻「横山さんの鰻」を地焼き。初めていただきましたが、身が締まっており、とても美味しい!付け合せはコシアブラと甘みの強い宮崎県産の初物とうもろこし。
「山形牛ヒレカツサンド」
こちらも絶品。パンよりよっぽどカツのが柔らかくてびっくり。牛肉はこれくらいの分量が丁度良いかも。
「シラスと筍の炊き込みご飯」
和歌山の老舗しらす屋「山利」のものをたっぷり。大阪に近い加太(かだ)沖はしらすの名産地だそうです。
素晴らしい香り、ちゃんとシラスの味のするシラスを久々にいただきました。
シャクシャクした筍と花山椒の辛味も素敵。
「蕗の薹卵かけVer.」
これも最高。あっという間に完食。さらにもう1杯、通常Ver.でお代わりをいただきました。お米はいっぱい食べたいものです。
「プリン」
和三盆のみを使用した桜香る塩味。そういえば最近美味しいスイーツ食べてないですねぇ〜。資生堂パーラー(和光でも良い)のパフェ切望。
後で久我山時代の情報を見てみると居酒屋に分類されてて、料理内容にも納得。日本酒の品揃えは辛口、すっきり系が多いのですが、この料理なら、もっとコクのあって熱燗が旨いものがあると最高なのだが。脂強めなものが多かったものの後味が良いのは、素材と調理の力でしょうか。正統的ながらも、程よいオリジナリティがあって好みで、満足感もしっかり感じられました。押し出しが立派な朝倉親方は、明るい方で、初めてでも気楽に食事が出来る雰囲気。またお伺いしたいお店です。ごちそうさまでした。
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