今年1月に「日本橋お江戸寄席」で拝聴した玉川太福さんの浪曲がとても素敵でしたので、「お江戸日本橋亭」の浪曲の会にお伺いしました。
「寛永三馬術 愛宕山梅花の誉」玉川奈みほ
1月に玉川太福さんが演じていたのと同じ演目。曲垣平九郎と右足が神経痛の痩せ馬が頑張って愛宕神社への階段を上るお話。馬は昔は「ハヤブサの青」と呼ばれていた名馬だったのですね。
「陸奥間違い」富士綾那
三遊亭兼好師匠のCDでよく聞いている「陸奥間違い」、内容はほぼ同じでも違う印象に。松納陸奥守と松平陸奥守を間違えるという中間の大失敗から追い込まれていく穴山小左衛門が面白い。途中まで面白いのですが、切腹するかどうかという段になると面白さよりも同情が強くなる。浪曲の独特なリズムに乗ると劇的な雰囲気が強まります。あやうく泣きそうになりました。素晴らしい。
「最強主婦伝説 サラダ太閤記」港家小ゆき
金髪でロックな雰囲気、声量が凄いな。完全オリジナルの浪曲、我が強い主婦の話、ひまわりが丘幼稚園のママ達が集まるパーティーの際、新人後藤さんが持ってきたサラダに料理の主役を奪われた風間さん。サラダを勉強するため、パリの三ツ星レストラン「ピエール・ガニェール」に弟子入り、鴨のコンフィをマスターし、次はロシアへ渡りニシンの酢漬けをマスターする執念が面白い。末娘の桜子の5歳の誕生日パーティでついにサラダを披露。鴨はシャラン鴨(多分ビュルゴーの)を使うなどの描写がツボです。後藤さんは悔しがるどころか、レシピ教えて下さいと飄々としているのに再びショックを受ける風間さん。最後の桜子が一番好きなポテトサラダの描写は泣かせます。浪曲凄えー。しかし最終的には後藤さんが誕生日プレゼントにレモンパイを持ってきて、妄執が無くなることはありません。風間さんもあれですが、後藤さんが実は凄い嫌な奴ではと思わせる展開でした。主婦伝説は10曲あるそうなので、他のものも拝聴してみたい!
「任侠流れの豚次伝から第3話流山の決闘」玉川太福
鬼才、三遊亭白鳥師匠の創作落語「任侠流れの豚次伝」を浪曲に写したもの、「任侠流山動物園」とも。浪曲「清水次郎長伝」をベースにして作った落語を、再び浪曲に写す流れが既に面白い。流山動物園は病気の像の政五郎、豚の豚次と、牛の牛太郎、鶏のチャボ子しかおらず、毎日集客は2名。荒川、隅田川を泳ぎ渡り上野動物園へ助けを求めに行く豚次が格好良い。竹筒でドンペリを飲んでいるパンダの親分パン太郎が容赦無く「精肉店のラインナップじゃねえか!」というツッコミに爆笑。放り出されて上野公園の「野宿のプロフェッショナル」に食われそうになっていた所を牛太郎が助けに。その後の虎の虎夫と政五郎の決闘のシーンは迫力あります。チタン製の牙は軽くて頑丈でしょうね。最後はパンダの目の周りの黒い部分ができた理由が判明して終了。
途中でOMAKASEで一番大好きな寿司店の予約をしなければいけなかったので、集中できない部分もありましたが、浪曲最高です!また機会を見つけて拝聴しに行きたいと思います!
コメント