新宿末廣亭 八月余一会 昼の部『立川流一門会』の後は上野へ移動し、鈴本演芸場 八月余一会 夜の部『春風亭一之輔独演会』を拝見しました。
「加賀の千代」春風亭一之輔
昼も鈴本で後援会員のための独演会をされているようで疲れているとかいないとか。「世帯主だ!」の前に「お前のことを好きな」が追加されているのが面白い。
「天災」桂九ノ一
若手のもの凄く元気な落語家、枝雀師匠の弟子の九雀師匠のお弟子さん。落語を初めて見に来た両親の感想、母は「だいたいわかった」、父は「落語は・・・間やな」などマクラも楽しい。もともと江戸落語の「天災」の上方版はお初、基本的に内容は同じですが、鼻をパーン!が楽しく、心学の先生の名前は出雲永楽斎(いつも屁がくさい)。声が大きい、がなる落語は上方っぽい。汗だくになりながらの熱演、とても面白い天災でした。下げは「ウチは先妻でもめてんのや」
「麻のれん」春風亭一之輔
「山城ヨチムーランド」月亭太遊
3分で分かる性格の捻じ曲がり具合がすでに楽しいマクラというよりボヤキ。一之輔、小痴楽、雀太の三人会、雀太さんが病気で代わりに呼ばれたのが最初だとか。マクラで小学生2人を笑わすために発した言葉が「ちんちん」、その時一之輔が動いた、とか。爆笑。吉本興業所属、「住みます芸人」で、京都を担当、小学生を星観測に案内する仕事の時、流れ星に女の子が願ったのは「尿酸値が下がりますように!」、お喋りがとても面白い。新作落語は不思議な世界へ。東京では八王子辺りか、城陽市にある「山城ヨチムーランド」はおっさんに夢の話を聞くテーマパーク。「寝るやん」がキラーワード、暗闇の中の黒い部分にめり込む顔、多少の引っ掛かりがあるものの通り抜けられる相撲取り(途中に呼び上げの声が遠くに聞こえる)、スピンし過ぎて棒になる子供のアイススケーターなど、不思議な現実感のある狂った世界へトリップ。「なんでやねん!」というツッコミの巧さ、運転の所作とかコントっぽいなと思ったら「はだか電球」というコンビでM-1、キングオブコント、R-1で準決勝進出、さらにABCお笑い新人グランプリ新人賞獲得という素晴らしい経歴。中毒になりそうな素敵な爆笑落語でした。下げは「カレーうどんでも食べよう、という夢」
「笠碁」春風亭一之輔
九ノ一さんをパチンコ屋の横にいるバルーン人形(チューブマン)に例えるのが秀逸、一之輔さんの動きも面白過ぎ。8歳の時の犬のエピソードはオリジナルか。最後の粘りに粘った後の2人の和解には感動があり、思わず拍手も理解できる。下げは「待っててくれて、ありがとう」
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