吉例顔見世大歌舞伎 第二部『寿曽我対面』『連獅子』歌舞伎座

吉例顔見世大歌舞伎 第二部『寿曽我対面』『連獅子』歌舞伎座
歌舞伎座で「吉例顔見世大歌舞伎 第二部」を拝見しました。一幕目は十世坂東三津五郎七回忌追善狂言『寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』から。

配役
工藤左衛門祐経:尾上菊五郎(音羽屋)
曽我五郎時致:坂東巳之助(大和屋)
曽我十郎祐成:中村時蔵(萬屋)
小林朝比奈:尾上松緑(音羽屋)
八幡三郎:坂東彦三郎(音羽屋)
梶原平次景高:坂東亀蔵(音羽屋)
化粧坂少将:中村梅枝(萬屋)
秦野四郎:中村萬太郎(萬屋)
近江小藤太:河原崎権十郎(山崎屋)
梶原平三景時:市川團蔵(三河屋)
大磯の虎:中村雀右衛門(京屋)
鬼王新左衛門:市川左團次(高島屋)
後見:坂東秀調(大和屋)

浅葱幕が落ち、華やかな舞台が登場。巳之助君が曽我五郎が初役だとは意外でした。ちょっと時蔵さんに遠慮しているようにも余裕が無いようにも見受けられましたが、勢いは十分。松緑さんの小林朝比奈、むちむちした肌に化粧乗りも素敵。全体的に型にはまり過ぎな感じがしましたが、その中でも梶原景時役の團蔵さんの体を斜にした異様な雰囲気が良かったな。そして菊五郎さん2021年度文化勲章受章おめでとうございます!

二幕目はとても楽しみな『連獅子(れんじし)』です。

配役
狂言師右近後に親獅子の精:片岡仁左衛門(松島屋)
狂言師左近後に仔獅子の精:片岡千之助(松島屋)
浄土僧専念:市川門之助(瀧乃屋)
法華僧日門:中村又五郎(播磨屋)

お美しいお二人、狂言師の部分では今まで見た連獅子の中で一番親子の情愛を感じられたかも。実際はお爺ちゃんと孫、孫は子以上にかわいい、という言葉もありますが。子を谷底に落とす場面の心配そうな表情、戻ってきたときの嬉しそうな表情がとても素敵。『宗論』の部分もよかったですね。門之助さんの弾けっぷりが面白い。

後半は舞台に二畳台2台の間に二畳台1台を重ねて、牡丹の花を使った舞も華やか、毛振りの場面ではちょっと仁左衛門さん、心配になりました。77歳であの動きは半端ないなぁ。凄い。どうか最後までご無事に。松島屋の連獅子は初めて見ましたが、屋号で演出がけっこう違うのが面白い。今回の連獅子は舞の美しさ、激しさというよりは、感情を全面に押し出しているように見えました。その年齢、その俳優でしかできない獅子の精の表現、とても良い舞台を見せていただきました。中旬の2回目も楽しみです!

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