八月納涼歌舞伎 第三部『新・水滸伝』歌舞伎座

歌舞伎座で八月納涼歌舞伎 第三部『新・水滸伝』を拝見しました。

配役
林冲：中村隼人（萬屋）
お夜叉：中村壱太郎（成駒屋）
李逵：中村福之助（成駒屋）
張進：中村歌之助（成駒屋）
彭玘：市川團子（澤瀉屋）
祝彪：市川青虎（澤瀉屋）
燕青：市川寿猿（澤瀉屋）
時遷：嘉島典俊
姫虎：市川笑三郎（澤瀉屋）
青華：市川笑也（澤瀉屋）
王英：市川猿弥（澤瀉屋）
高俅：浅野和之
公孫勝：市川門之助（瀧乃屋）
晁蓋：市川中車（澤瀉屋）
魯智深：松本幸四郎（高麗屋）

いちゃもんを付けてきた野郎を肉団子スープにするお夜叉、木っ端役人を半殺しにした姫虎と女性陣が良い。二刀流の女性剣士、青華は走り方がもったりしているのが気になるものの、王英との関係が最高。お役というか、笑也さんと猿弥さんが好き。2人で橋のような所に座って語り合う様子に心が温まります。吹けない口笛でごまかすとか、ベタが笑いになる猿弥さんのキャラが好き。「あたしゃね！」と浅香光代を彷彿とさせる笑三郎さんの喋り方、隼人君の絶望絶叫シーンも真に迫るものがあり素敵。朝廷軍の若手、團子君、歌之助君も良い。歌之助君は最近めっきり悪役が様になってきた様子。お役ごとにもう少し変化があるともっと良さそう。騙し討ちを仕組まれた梁山泊軍を助けに行くための宙乗りは「飛龍」が可愛い過ぎて笑える。そして3人の隠密は出方が立派なわりに弱いのも楽しい。最後の方に出て来た幸四郎さんは特に出る必要性も感じませんが、出たがり感？前のめり感?もといサービス精神がらしい！あまり記憶には残らなさそうなスーパー歌舞伎的演目ですが、眠気も感じず楽しめます。澤瀉屋、応援しております。