「令和7年2月文楽公演通し狂言『妹背山婦女庭訓』第一部」きゅりあん大ホール

配役

大井町の「きゅりあん大ホール」で「令和7年2月文楽公演通し狂言『妹背山婦女庭訓』第一部」を拝見しました。

「小松原の段」から。お茶目な腰元2人が楽しい場面ですが、久我之助の行動（手）が早過ぎて、玄蕃ならずとも驚きます。「太宰館の段」は通称「花渡し」、精錬な豊竹希太夫さんの語りは好きですが、入鹿の笑いはもっと不気味さが欲しいところ。そして、入鹿の乗る馬が乗る人に対して、小さくて可愛い。そして眼目の「妹山背山の段」、吉田和生さんの定高、吉田玉男さんの大判事清澄、太夫三味線人形、かなり最高に近い座組。親の思いと子の思いの交錯が両床により否が応でも倍増されます。娘の首に化粧を施す親の壮絶な感情など想像できる訳もありません。とても悲しくも素晴らしく美しい「雛流し」の場面も、前回のような号泣はありませんでしたが、最後の久我之助を介錯する場面は胸を締め付けられました。しかしながら、ずっとガムを噛みながら舞台を見ていた隣の方の妙な反応や動きが気になって集中できなかったのが残念、来週の2回目を再び楽しみにしております。