国立劇場で令和5年5月文楽公演 第一部『菅原伝授手習鑑 初段』へ、今月と8月に分けて通し上演!全段通しで上演されるのは約50年ぶりだとか、初段は文楽では初めて拝見するので楽しみです。
配役
第一部は若手中心の公演のよう。藤原時平の禍々しさが滲み出る『大内の段』、斉世親王の衣装を剥ぎ取るのはやり過ぎでは。。。最後の道真への睨みに嫌らしさが極まる印象。『加茂堤の段』では、刈谷姫を遣う吉田簑紫郎さんが良い。休んでいる梅王松王をうまく追い払う桜丸に、三つ子とはいえ末っ子のちゃっかりした性格が出ているよう。歌舞伎のように桜丸と八重のいちゃいちゃ場面は無いのね。見るからに鈍重そうな黒牛が可愛い。『筆法伝授の段』は、歌舞伎でもそこまで面白いとは思いませんでしたが、文楽でも同様。希世がうざい。しかしながら織太夫さんの無垢の見台が格好良いし、玉男さんの菅丞相の動かない演技はやはり凄い。御台所の着物に隠れてまでも対面しようとする戸浪の様子に菅丞相の神々しさを感じます。参内の際に冠が落ちる場面は意外とあっさり、あらゆる可能性を予測しているであろう菅丞相の覚悟が素敵。『築地の段』でも希世はうざい。ここから物語が動き出す初段、そこまで面白みはありませんが、決して見て損はありません。
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